メール一覧に戻る
配信日:2023/07/15
部活研通信:指導現場に役立つ傷害予防について安全安心な子ども達のスポーツ実施に向けて
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称:部活研)
「部活研通信」
"役立つ研修情報や部活動関連の情報をお送りします!" < 2023.7.10 配信 Vol.92>
info@bukatsu-japan.com
https://bukatsu-japan.com
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
この時期の部活動中の熱中症には、細心の注意を払う必要があります。
一番は無理をさせないことですね。

それでは、いつもの通り、部活指導関連の情報をお届けします。
そして、いつもの様に部員の心が変わるとっておきの話もあります。
☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104
◎部活研Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCyk_TeDJ8rNeA4xTdqTuq2g
◎資格更新期限の変更について(2022.8)
https://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2022/10/05/165218
◎更新研修以外でのポイント取得について(2023.2)
https://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2023/03/06/120129
それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心が変わるとっておきの話
【2】部活News
【3】8月研修会の参加者募集
【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
【5】レポート提出による更新ポイント取得について
【6】ドイツ人サッカー指導者ゲルト・エンゲルス氏に学ぶ
文責 中屋晋
☆::::::::::::::::::::::::::::::::::☆
以上をお送りします。

【1】部員の心が変わるとっておきの話
〜挨拶と儀式〜
教室に入って、「はい、始めます」と言ってすぐ講義を始める先生もいます。授業の前の挨拶などしなくていいということのようです。

先日、ある動画でイェール大学助教授の成田悠輔氏がこんなことを言ってました。
「挨拶とか社交辞令ってある種の瞑想だと思っているんですね」

物事が、意味のあることの連続でなければならないという考えが、前頭葉を疲弊させ人間の想像力の低下を招くのではということらしいです。

実は、瞑想っぽいものって日常生活にたくさん埋め込まれていて、挨拶はその一つで、挨拶とか社交辞令って、考えなくても勝手に流れていくような一つのルーティンなわけです。

例えば、「コンニチは」「How are you?」って、本気で相手が良い状態なのか、悪い状態なのかなど聞いてるわけではないです。つまり、判断したり、知りたいという欲望はそこにはないです。

型通りにやり取りを行ったり来たりさせるっていう工夫を人間は作って、生活に組み込んでいて、それが挨拶なのではないでしょうか。この無意識のルーティンは、邪気を払うめの小さな工夫なのではないか。

そうじゃないと、次に何をすべきなのかとか、今やってることは、正しいのかとか、意味はあるのかとか、相手に言われたことが、面白いことなのか、良いことなのか、判断したり考えたり、頭の中で情報処理をし始めてしまうわけで、この情報処理をいかにしないかということが重要で、それが、いわゆる瞑想の目的と共通するということ、こんな事を成田氏は言っていました。

いろいろな節目にする挨拶や儀式というものは、ある型をなぞりながら実行することで、心をニュートラルにする装置ではないかと、こんなことを私も以前から考えていたので、その意味で、この成田氏の主張には、個人的に思っていたことと重なり、かなり深く頷きました。

人という生き物は、心の動揺に簡単に左右されてしまう弱さがあります。座禅とか瞑想というと、大袈裟になってしまいますが、挨拶や儀式を型通り実行する行為が、心の弱さを補足し、心の安定のための1つの役割を果たしていると考えることも出来ると思います。

もちろん、意見の食い違いの後の相手との気まずさみたいなものの解消にも、挨拶は効果があると思いますが、自分の心の負担を減らす効果も期待出来るのであれば、活用すべきです。

こう考えると、部活動も含め、日常の挨拶もきちんとしておいた方がいい気になってきます。挨拶について、部活動で話し合っても面白いかも知れませんね。


【2】部活News
○「3人プロを出し97人犠牲」では意味がない 高校サッカーの“見落とし”にドイツ人指導者が警鐘
https://the-ans.jp/column/331282/
(THE ANSWER)

○変革の時を迎えた「スポーツ少年団」—学校部活動の受け皿担う中心的存在へ
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00913/
(nippon.com)

○“地域での部活動”見えてきたものは?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230706/k10014118841000.html
(NHK)

○部活動の地域移行、東京都内でも始動 墨田区で体験会
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC07BEZ0X00C23A6000000/
(日本経済新聞)

○「部活動の地域移行」とは? 実施率は中学校2割、高校1割
https://news.mynavi.jp/article/20230629-2714685/
(マイナビニュース)

○市部活動地域移行検討協議会が第2回会合、部活動の現状や地域移行へ意見を出し合う
https://suzaka.ne.jp/news/?subaction=showfull&id=1688777016&archive=
(須坂ニュース)

○【神奈川の部活動は今】秦野の中学軟式野球 地域移行でクラブチーム結成 8校の野球部員が所属 練習量を補完
https://www.47news.jp/9555062.html
(上毛放送)

○(解説)部活動地域移行の具体的な事例を紹介!
https://www.kyobun.co.jp/glossary/club-activity-shift/example-0201/
(日本教育新聞)


【3】8月の研修会のお知らせ
次回の研修会は8月20日13時からオンライン研修を予定をしております。
テーマ
「指導現場に役立つ傷害予防について安全安心な子ども達のスポーツ実施に向けて」
〜安全管理とコンディショニング〜
ライブ配信日に都合がつかない方々のために、オンライン研修後にアーカイブ受講が可能になりました。
日程:8 月 20 日(日) 13 時〜16 時
会場:オンライン会議システム「zoom」にて開催定員:100 名
参加費:3,000 円

講師1:笠原 政志
国際武道大学体育学部教授
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、日本ライフセービング協会BLSインストラクター 
高校まで野球部主将として野球に没頭し、大学からアスレティックトレーナーの研鑽を重ねる。専門分野はコンディショニング科学。
研究活動はアスリートの競技力向上とスポーツ傷害予防にかかわるコンディショニングに関する研究と実践。
著書「絶対に知っておきたい野球現場のファーストエイド」ベースボールマガジン社、「野球を科学する」 竹書房
NHKの健康チャンネルの講師担当
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1364.html

講師2:中屋 晋
一般社団法人 日本部活指導研究協会 代表理事、日本部活動学会 副会長。
JPTAおよびUSPTA認定プロフェッショナル
18年間の高校教員生活の後,オーストラリアの大学でテニスコーチを務める(2003〜06年)。
東京都の委嘱で都立高校 4 校の外部指導者も経験。
著書「流通経済」一橋出版(文部科学省検定教科書)「情報処理」一橋出版(文部科学省検定教科書)「部活動指導・運営ハンドブック」大月書店

<内容>
今回の研修は、「コンディショニング科学」がご専門で、スポーツをするうえでのケガや疲労のケアについて研究されておられる国際武道大学の笠原政志教授をお招きして開催します。
指導者は子ども達への最適な指導をするために、指導現場の安全管理とスポーツ活動実施に向けた準備と指導後のケアに関する情報に対してもアップデートしていく必要があります。
特に指導現場の安全管理としては緊急時対応計画(Emergency Action Plan :EAP)の作成と対応が、子ども達の充実した活動のための準備とケアとしてはウォームアップやリカバリーなどのコンディショニングが必要不可欠です。本講義では安全安心な子ども達のスポーツ実施に向けて指導者が知っておきたい緊急時対応計画(EAP)とコンディショニング方法について紹介します。
学生時代に野球部主将のご経験もあり、プレーヤーとしても指導者としても経験豊富な笠原先生の講習を日頃の指導に是非、お役立て下さい。

◆プログラム
13:00〜14:00「安全管理の実際」笠原 政志
14:00〜15:00「コンディショニングの実際」笠原 政志
15:00〜15:30 研究協議と意見交換
15:30〜16:00「学校教育の一環の部活動とは」 中屋 晋
参加費:3,000円

◆申し込みはこちらから
https://kokc.jp/e/9d5958ab6612d45aeee00e6eb1780e44/

◆オンライン研修後のアーカイブ受講について
申し込み:https://forms.gle/ANVXWjUKkSQzG3AH9
受講料:3,000円
視聴可能期間:アーカイブ動画公開日より2週間
部活動指導員検定の資格更新のための研修ポイントを取得するためには、アーカイブ動画公開日より1か月以内に400字以上のレポート提出が必要になります。
注)日本スポーツ協会の資格更新研修の対象外になりますのでご注意下さい。

※本研修は、部活動指導員検定の資格更新のための研修対象になっています。研修ポイント:1(指導分野専門科目)
※このオンライン研修の参加により、公益財団法人日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格の更新研修を修了したことになります。
※ご入金後のキャンセルは出来ませんので、ご注意下さい。
※ZOOMアクセス情報は、開催1週間前にメールで連絡します。


【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
○インターネット受験について、受付をホームページにて行っております。
【受験手順】
受験日を選択→ネット決済システムに登録→受験システムにログイン
→受験日当日(画面解答入力 ※3級の場合は動画講習あり)→1週間以内に合否通知

【検定試験実施要項】
こちらのURLからダウンロード確認出来ます。
https://00m.in/qxiSc

・オンライン検定試験
■3級:オンライン講義の後に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
7月22日(土)、8月20日(日)、9月16日(土)
■2級:公式テキストを参考に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
9月9日(土)
■申し込み・詳細
https://kokc.jp/e/2e1dd1db8467c27432b061b23c641881/

【5】レポート提出による更新ポイント取得について
資格の更新のためには,期限内に当協会指定の研修を3回以上受講する必要があります(計3ポイント以上)。
※資格更新期限につきましては,合格認定日の翌月から2年間でしたが、昨年7月から3年間に期限を延長することと致しました。

なお,指定の更新研修を受講できなかった方は,レポート審査によって,研修ポイントを取得することができます。レポート審査の申請をせずに更新期限が過ぎた場合は,資格が失効いたしますのでご注意ください。

■レポート提出によるポイント取得について
内容:部活動に関するレポート課題(研修会記録動画の視聴,部活動関連書籍の読書,指導実践報告)
制度:レポート1件(800字以上)につき1ポイントの付与になります。
審査料:1ポイントにつき4,500円
受付期間:8月1日〜8月31日
提出〆切:8月31日 ※レポートを提出されるまでの間は資格保留期間とする。
希望される方は下記リンクより申請ください。

《資格更新期限の変更と更新方法について》
https://forms.gle/oBvwfS4xjefxJJ7j8
↑こちらをクリック

【6】ドイツ人サッカー指導者ゲルト・エンゲルス氏に学ぶ
◆私ごとですが、私は40代で教員を辞め、オーストラリアの大学でテニスコーチをすることになり、その時から考えが180度変わりました。

生涯に渡ってスポーツを楽しめるようにするためにどうすればいいのか、学ぶ喜び、達成の喜び、仲間のいる喜びをスポーツを通じて、長期的な視野で伝えなければと思いました。

そのためには、日本のスポーツ指導者の意識を変える仕組みを作らなければという思いが、この協会設立のもとになっています。

先日、ゲルト・エンゲルス氏の「日本サッカー育成論」のなかで、『「1人ひとりをもっと大事にする」指導を実現すれば、より多くの才能が芽を出す』との記述を読み、深い共鳴を得ました。
https://the-ans.jp/column/331282/

◆そもそも、現状の日本のスポーツ界にある理不尽な強制と押し付けが、どう引き継がれてきたのか、その大もとはというと、太平洋戦争が終わって、日本に新しい教育が始まった頃に遡ります。その頃、国民は部活動を通して目新しいスポーツに触れることになるのですが、指導者の位置付けや、指導方法などの経験もなく、曖昧な体制からの始動だったので、戦前の経験が引き継がれます。

つまり、軍事教練的な上意下達や一方的な命令の指導法が部活動に根付いてしまったのだと言われています。そこまでの教え方として、軍隊への教育しか知識がなかったので、そこから始まって今だに引きずっているわけです。

はやり、日本の場合、理論的に分かるということによって上達するという考え方が多くのスポーツ指導者に希薄で、もともとの運動センスと膨大な運動量のみがパフォーマンスを作ると信じられているという傾向は根強くある気がします。

だから、中学までに結果を出した選手を強豪校に集め、あとはひたすら何も考えさせずに長時間練習に打ち込ませるパターンに落とし込み、学校の名声にあげて、自分のキャリアアップに繋げるかたちが、多くの日本選手のプロまでの経歴になっています。

◆日本人の練習量は世界一です。オリンピックや世界選手権で盛り上がって、たくさんメダルも獲得してますが、人口比でみると世界のなかの実際の立ち位置が見えてきたりします。実際、指導者の指導法のレベルはまだまだです。

独裁的な指導がなくならない限り、この状態は続くでしょう。指導者育成の仕組み、つまり、部活動指導者をガバナンスする全国的な仕組みが欠けていることが事態改善をための最も大きなネックになっていると考えます。

いまだに指導者は、好き勝手にそれぞれが職人技で指導する方式が中心にあり、、組織的に成長する体制になっていないから、科学的な指導、公平性のある取り組みに欠けて、指導者は自己流でやった者勝ちの状態になってしまっています。

◆大事なことは、育てようという気持ちなのだと思います。下手な生徒は下手なまま、上手い生徒を競争原理に乗せて絞り上げる仕組みのもと、スポンサーのために、学校のために、その結果を利益に結びつけることが目的になりがちです。

組織にとって成果と成長は両輪であり、成果は必要ですが、ある特定の部分について、現状、その成長の仕組みを放棄している体制があることが残念でならないです。日本全体を考えると、大事な未来を一部の企業や学校の宣伝のために、みすみす無駄にしてしまっている気もします。

今、中体連と高体連は、各学校や生徒からの会費と行政の補助金で運営されていますが、大会運営以外に手を回す余裕がありません。ですので、それと同等の部活動指導者の全国規模の組織が実現し、指導者の派遣、教育などを含めた部活動の運営などが出来る新制度の構築を願っているところです。


今回もご高覧ありがとうございました。
部活研はこれからも具体的に行動します。
*********************************************************************
◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104
◎「部活研通信」バックナンバーはこちら
https://sv2.mgzn.jp/pub/mailList.php?cid=N906697
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□配信先の変更、購読停止について。
----------------------------------------------------------------------
発行システム:『まぐまぐ!』からご登録された方で配信中止を希望される方はこちら
http://www.mag2.com/m/0001670259.html
又はお手数ですが『配信不要』と記載してご返送下さい。
----------------------------------------------------------------
□ご意見・ご感想は info@bukatsu-japan.comまで
□発行 一般社団法人 日本部活指導研究協会
https://bukatsu-japan.com/



メール一覧に戻る