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配信日:2023/04/10
部活研通信:学校と地域の「これまで」と「これから」他
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一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称:部活研)
「部活研通信」
"役立つ研修情報や部活動関連の情報をお送りします!" < 2023.4.10 配信 Vol.89>
info@bukatsu-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
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4月は、希望を胸に入学してくる新入生の初々しさが光る月ですね。
それを受け入れる学校側も心が引き締まる時期でもありますね。

それでは、いつもの通り、部活指導関連の情報をお届けします。
そして、いつもの様に部員の心が変わるとっておきの話もあります。
☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104
◎部活研Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCyk_TeDJ8rNeA4xTdqTuq2g
◎資格更新期限の変更について(2022.8)
https://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2022/10/05/165218
◎更新研修以外でのポイント取得について(2023.2)
https://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2023/03/06/120129
それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心が変わるとっておきの話
【2】部活News
【3】「部活動とクラブをつなぐ」報告
【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
【5】朝日新聞:暴言繰り返すコーチ「力関係は顧問の上」 部活指導者の体罰どう防ぐ
【6】元文科大臣の下村博文衆議院議員と車座トーク
文責 中屋晋
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以上をお送りします。

【1】部員の心が変わるとっておきの話
〜サッカーWCとWBCのお二人の監督に続け〜
「熱心な素人指導者が選手を潰す」
約30年前に栗山監督の講演でこの言葉を聞きました。

当時、現役を引退して2年くらいで、自ら様々な研修会に参加し、また全国のアマチュア野球の指導現場を訪問している最中の栗山監督の講演だったと記憶しています。

個人的には、この言葉によるパラダイムシフトがきっかけで、数々のスポーツ指導者研修会に参加し始め、更に自ら部活指導者への研修活動を始めて、今日があります。

今回のWBCの優勝に貢献した選手から学ぶことは、たくさんあります。しかし、栗山監督の指導者としての姿勢にも多く学ぶべき点があったと思います。

そして、昨年のサッカーWCでの森保監督からも、同様な姿勢を感じた方は多いのではないでしょうか。

両監督に共通する姿勢は、「選手の特性を引き出し、生かす」、この点を最優先に考えているということだったと思います。

選手に対して恐怖心や無用なプレッシャーを与える、いわゆる恫喝、制裁、強制による従来型の手法は、微塵も感じられませんでした。

これは、一にも二にも、日頃から指導者として、自らの質の向上を考えた行動の結果なのだと思います。

つまり、指導に当たるまでの準備を綿密に行い、いかに合理的に科学的に戦術を立て、選手の最高のパフォーマンスを引き出すかを追究した結果なのでしょう。

トップダウンで指示を出し、結果が出ない選手にプレッシャーを与える指導スタイルの真逆の手法を、この栗山監督と森保監督は示してくれました。

部活動を指導する指導者の方々には、是非、この日本を代表するお2人の指導者に続いて欲しいと思っていました。

まだまだ、暴力体罰による部活指導の報道を見聞きする昨今の状況ですが、昨年のサッカーWCに引き続き、今年のWBCでは、新しい日本の指導者像を示して頂けたと感じています。

新しい指導者育成の仕組みづくりに取り組んで来た1人として、森保監督、栗山監督に最大限の敬意と感謝を表したいと思います。

ありがとうございました。


【2】部活News
○暴言繰り返すコーチ「力関係は顧問の上」 部活指導者の体罰どう防ぐ
https://www.asahi.com/articles/ASR3K64Z8R27UTIL00B.html
(朝日新聞)

○高校野球の「謎ルール」がじわり変化 やらされるより、まずは考える
https://news.yahoo.co.jp/articles/beb05f1019093a18df8d10b731046d812a414ce0
(朝日新聞)

○「ユースと部活、どっちが育つのか」 中村俊輔が考える、日本サッカー積年の疑問
https://the-ans.jp/course/52892/
(THE ANSWER)

○公立学校教員への残業代認めず 最高裁が上告棄却
https://share.smartnews.com/1af4z
(毎日新聞)

○7割の教職員が休日指導に前向き 部活動の地域移行、情熱注ぐ顧問と専門コーチの価値
https://the-ans.jp/bukatsu/306242/
(THE ANSWER)

○研究者と実践者が協力しあう「日本放課後学会」設立
https://resemom.jp/article/2023/01/23/70542.html
(リセマム)

○「部活動」は自由な選択へ! 「教育の質」を高める新しいルールとは?
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20230305-00339688
(yahooニュース)



【3】研修会「部活動とクラブをつなぐ」報告
3月19日に関西大学の神谷拓教授をお招きして、「部活動とクラブをつなぐ」と題してオンライン研修会を開催致しました。
今回も、たくさんの熱心な指導者の皆さんとたいへん有意義な時間が過ごせたと思います。
内容に関わるサブタイトルは、”学校と地域の「これまで」と「これから」”と致しました。つまり、この4月から動き始めた部活動の地域移行を睨んだうえで、部活動問題のここまでの経緯を含めて、ご講義頂きました。

以下、講義のなかで印象に残った点をフレーズにまとめました。
・試算をすると教員の部活動へ労働対価は500億円で、それを今まで無償で行ってきたと言える。
・過去に2回の部活動地域移行の失敗の歴史がある。1969年の必修クラブ設置の時期、1998年の総合型地域スポーツクラブの設置に時期。いずれも、スポーツ施設が整備されていない、予算が伴っていなかった、という点で、うまくいかなかった。
・生涯スポーツは、競技スポーツに比べ予算がかけられてこなかった。
・スポーツ施設の整備状況:日本は2673人に1つ、フランスは247人に1つ
・令和4年の時点で、総合型地域スポーツクラブは、35000人に1クラブの割合。ドイツは939人に1つ、イギリスは564人に1つ。
・今回の部活動地域移行は、学校教育に、いかに民間企業がかかわるかという問題になっている。
・民間企業を入れる政策が前面に出て、先生を増やす政策はない。
・3年間で、部活動を地域に出すのは課題が多過ぎるという意見、うちの地域じゃできないという意見が多い。
・今の部活動地域移行の計画を進めるなら、国の財政負担を示して欲しい。
・日本のスポーツ施設の充実度は、学校の体育施設に依存していて、地域スポーツには、教員が実際には多く関わっていることが多い。
・部活動も地域クラブとして運営していくうえで、クラブを運営するための課題解決の機会は貴重であり、その機会を奪うことは避けたい。
・地域クラブを、まずは自分たちで作っていくという試みを大切にすべき。「Company」は、1つのパンを分け合うという意味。
・組織の立ち上げ、運営するためには、自分たちで決めたことを文書として残すことが大切になる。
以上です。

◎次回の研修会は8月の予定です。希望する研修会の内容がございましたら、下記アドレスまでお知らせ下さい。
kensyu@bukatsu-japan.com



【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
○インターネット受験について、受付をホームページにて行っております。
【受験手順】
受験日を選択→ネット決済システムに登録→受験システムにログイン
→受験日当日(画面解答入力 ※3級の場合は動画講習あり)→1週間以内に合否通知

【検定試験実施要項】
こちらのURLからダウンロード確認出来ます。
https://00m.in/qxiSc

・オンライン検定試験
■3級:オンライン講義の後に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
4月18日(日)、5月13日(土)、6月18日(日)
■2級:公式テキストを参考に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
6月18日
■申し込み・詳細
https://kokc.jp/e/2e1dd1db8467c27432b061b23c641881/


【5】朝日新聞:暴言繰り返すコーチ「力関係は顧問の上」 部活指導者の体罰どう防ぐ
3月19日朝日新聞朝刊の社会面に本協会代表中屋のインタビュ記事が掲載されました。
・暴言繰り返すコーチ「力関係は顧問の上」 部活指導者の体罰どう防ぐ
https://www.asahi.com/articles/ASR3K64Z8R27UTIL00B.html
(朝日新聞)

体罰暴力は、安易な指導法の選択の結果で、これは体罰暴力以外の効果的な指導法を指導者が知ることで解決するはずという主旨の話をしています。

高圧的な指導をしてきた方々の話を聞くと、その手法を選んだ明確な理由はなく、単に反射的にとか、「そういうものだと思っていた」とか、科学的な根拠はなく、生徒に対し高圧的な対応をして来た方がほとんどで、「勝たせたい!」という思いを感情に任せて指導してきたというのが、実態のようです。

その背景には、勤務評価など自身のキャリアアップを意識してなどの要素も少なからずあると思いますが、多くの方は、生徒思いで、指導面で真面目であるにも拘わらず、なぜか暴言や体罰を指導の手法として選んでしまったという感じがします。

やはり、「高圧的な指導」より、「生徒を理解する指導」の方が効果があるという現実を「実感として知る」ことがポイントになるのではと考えています。つまり、恫喝、制裁、強制で伝える方法以外で、厳しさを伝える術を知らないことが大きな問題で、更に恫喝、制裁、強制を否定する各種の通達への理解がどうしても「建前の域」を脱しきれないところに問題があるのではと考えています。

この問題の解決するためには、今まで指導者として常識と思われてきたことの否定を含め、いかに体罰暴力による指導が、無益で非効率な方法かを現場レベルの実践報告やデータを提示して、認識を新たにしてもらう啓蒙を施していくしかないと思っています。そして、指導者も、生徒も、共に目的を達成できる指導法を学ぶ機会を増やすことが、部活指導者の体罰を防ぐ唯一の方法と確信しています。

基本的に部活研の研修会には「知ることによって、人は変わる」というコンセプトがベースにあります。これからも部活動指導者の方々の成長を後押しできるような研修会を企画していきます。ご参加を心よりお待ちしております。



【6】元文科大臣の下村博文衆議院議員と車座トーク
4月から部活動の地域移行政策が動き始めました。部活動の外部指導者の必要性が、今まで以上に高まることが予想されます。

今回は、元文部科学大臣の下村博文衆議院議員をお招きして、今後の部活動制度の行方について、ざっくばらんに意見交換をする企画を予定しております。

会場は、板橋区内を予定しております。詳しい日程は後ほど。(5月中開催の予定)
ご参加を希望される方は、下記メールアドレス宛に住所、氏名、メールアドレス、希望する車座トークのテーマをご記入頂き、件名「車座トーク」でメールをお送り下さい。
info@bukatsu-japan.com


今回もご高覧ありがとうございました。
部活研はこれからも具体的に行動します。
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◎協会スタッフ募集のお知らせ
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