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配信日:2022/12/12
部活研通信:部員の心が変わるとっておきの話他
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一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称:部活研)
「部活研通信」
"役立つ研修情報や部活動関連の情報をお送りします!" < 2022.12.10 配信 Vol.85>
info@bukatsu-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
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サッカーw杯に日本中が注目し、日本列島が揺れるほどの歓喜を巻き起こしてくれましたね。やはり、スポーツの力は偉大です。政府もスポーツ、教育への対応をもう少し重視して政策を打ち出して頂ければと改めて感じました。

さて、いつもの通り、部活指導関連の情報をお届けします。
12月の研修報告の告知もあります。
そして、いつもの様に部員の心が変わるとっておきの話もあります。
☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104
◎部活研Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCyk_TeDJ8rNeA4xTdqTuq2g
◎資格更新期限の変更について(2022.8)
https://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2022/10/05/165218

それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心が変わるとっておきの話
【2】部活News
【3】12月研修会の「部活中の事故責任は全て指導者が負うのか」報告
【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
【5】「スポーツ少年団 改革プラン 2022」を読んで
【6】教育新聞社の取材を受けました
文責 中屋晋
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以上をお送りします。

【1】部員の心が変わるとっておきの話
〜90歳の現役全日本チャンピオン〜
先日、テニスの全日本ベテランの85歳以上の男子1位の谷津正次さんと女子1位の岩崎貴久子さんとお食事をする機会がありました。

谷津さんは85歳、岩崎さんは90歳です。お二人とも、凄いとしか言い様がないのですが、何と言っても、足取りも会話のテンポも良く、全く歳を感じさせませんでした。駅の階段もスタスタ上がったりして。

とにかく、お二人とも全日本ナンバー1なのですが、ギラギラ感が全くないんですね。「全然、勝ちたいなんて思ってないのよ」と岩崎さんの言葉。それでも、今年の夏の軽井沢テニストーナメントのミックスDで、このナンバー1同士がペアを組んで優勝したらしいです。

何というか、印象としては、ギラギラはしてないのですが、何にでも意欲的で決断も早い感じがしました。そして、好き嫌いがはっきりしていて、さばさばしてる。ギラギラというよりキラキラかも。

90歳と85歳にして健康寿命を全うしている最中で、多くの人が、こうありたいという目指す理想像に近づくヒントは、この辺にありそうです。

これぞ生涯スポーツ。岩崎さんは、テニスとピアノを始めたのは小学生からだそうです。今、週2回のテニススクールと毎日2時間のピアノが生きがいとのこと。

個人的には、二人の大先輩から学んだことは、好き嫌いがはっきりしていて、好きな人、好きな事とは徹底して付き合う、嫌いなこととは上手に距離を置くという姿勢でした。

そして、そのうえで、何事にも尻込みしないこと、くよくよしないことを感じました。生涯スポーツを念頭におく部活動の目指す理想像のような気がしました。

十代で身につけた心得が、結局、無くてはならない気持ちの支えになってるということは、まさに十代、そのなかにいる生徒たちに伝えたいことですね。



【2】部活News
○休日の部活動、地域や民間に移行へ 県教委が初の「改革セミナー」
https://share.smartnews.com/qSQBy
(朝日新聞)

○剣道部顧問、不適切な指導で女子高生自殺 学校側「異例」の謝罪
https://mainichi.jp/articles/20221104/k00/00m/040/294000c
(毎日新聞)

○子どものスポーツ、怒鳴らず指導 脱「勝利至上」広がる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH190YB0Z10C22A9000000/
(日本経済新聞)

○「複数の高校で”一つの部活”を運営」大阪府独自案の”狙い”【大阪発】
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/8f5ae9ebc3cc539e961ecb8b87a37dfa2d70a5c0&preview=auto
(FNNプライムオンライン)

○冬の部活、トレーニングのし過ぎに注意 理学療法士が教える要点は
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQCX61NWQCTPTIL00K.html
(朝日新聞)

○どう変わる?部活動の「地域移行」 費用負担、指導者確保…課題は山積 2023年度から段階的に
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/9b0637faf2c4d841f18e8e89b6a452c2b26d5ee4&preview=auto
(長野放送)

○「私立中高一貫校に相次ぐ労基署の"ガサ入れ"」おかげで部活消滅の危機という憂慮すべき事態
https://share.smartnews.com/Wb6Vs
(PRESIDENT Online)

○部活動の顧問「任意制」に…東洋大が「私学教員ユニオン」と労働協約、付属校で適用
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221122-OYT1T50238/
(西日本新聞)


【3】12月研修会の「部活中の事故責任は全て指導者が負うのか」報告
12月4日に実践女子大名誉教授の日野一男先生に講演をお願いして研修会を開催致しました。
「万一のために知っておきたいリスク管理とパフォーマンス向上の両立について」というテーマでの研修会だったのですが、たいへん中身の濃いお話しを聞くことができました。

私の印象に残ったお話しをいくつかご紹介して報告としたいと思います。

1,人に危害を加える行為を業務と定義する
「業務」というとある程度報酬を得る行為、または書面で契約を交わした行為というイメージを持っていました。このイメージは、完全に間違いでした。

日野先生の定義はこうです。
「他人に危害を加える行為、社会生活上の地位にあって、反復継続して行うもの全てが業務」

つまり、スポーツ活動、教育活動、医療行為、物販等で人に危害を加える可能性のある行為は、例えボランティアであろうが、遊びであろうが、業務と認定されるのだそうです。

例えば、自動車の免許を取ると、社会生活上の地位を得たこととになり、自動車の運転は他人に危害を加える行為で業務という認識を持つべきとのことです。ですから、自分の仕事であろうが、遊びであろうが、報酬をもらっていようが、いまいが関係ないのです。

ですから、自動車の運転で死亡事故を起こすと刑法の業務上過失致死で罰せられます。当然、報酬を得ていようがいまいが、部活動を指導する行為は、他人に危害を加える行為であり、注意義務を果たして行わなければならない業務になるとのことでした。

2,「法は両刃の剣」について
「権利(法)の上に眠る者は保護に値せず(法の上に眠る者は保護しない)」
本来は、自分の権利を主張する時に主張しないとあなたの権利はなくなると言う「消滅時効」の古い諺です。
要は、自分の権利を主張すべき時に主張しないことは、「法の上に眠っていることとなりあなたの権利は消えます(無になる)」と言う事です。

例えば、「聞かなかった」と「聞けなかった」は違います。周知とは、全員に知らせることですが、全員が知ることが出来る状況、環境を作ることも指導者の責任として重要であり、この誰もが出来ることを怠ると法は守ってくれません。

誰もが出来る注意を守ることではじめて、法に守られる立場に立てるとのことでした。自分のすべきことをしないと法のうえに寝ていたとみなされ、両刃の剣に切り捨てられてしまうのです。


◎以下、講演で取り上げた判例です。参考にして下さい。
【事例1】
指導に素直に従わなかった生徒に対して、激怒して数回の平手打ちを顔面にしたうえ力を込めて肩部付近を連続して突き、右側頭部付近を突き上げるなどの暴行を加え、頭部をコンクリート柱に激突させて死亡させた。
【判決】
一審判決の量刑は不当ではないとして、懲役二年の実刑判決を認め、教師の控訴を棄却した。
【事例2】
熊本の、教師が泣いている児童をしゃがみ込みなだめているとき、小学2年男児が、教師の背中にしつこく覆いかぶさるので注意をしたが、、覆いかぶさらない時に通る上級生女子児童を蹴ったりするので再度注意をしたところ、しゃがみ込んでいる教師の尻を蹴って逃げたので追いかけ、胸ぐらをつかみ「もうするなよ」と叱ったことが体罰と親が教師と市を訴えた。
【判決】
事例教員の行為が穏当性を欠くものであったが、児童の悪ふざけに罰として肉体的苦痛を与えるために行われたものはなく、教員の行為は、その目的、態様、継続時間などから判断して、教育的指導の範囲を逸脱したものではなく、違法性は認められないとして、親の請求を棄却した。
【事例3】
中学2年の正課体育のサッカー競技において、同級生とこぼれ球を蹴りあった際、同時に蹴りあう結果となり、相手の膝が腹部を強打した結果外傷性膵炎を負った。担当教師が不在で自習として行われ、代替え教諭は体育委員の生徒に注意や指示を与えた後、職員室から他の仕事をしながらようすを見ていた。
原告は、授業に立ち会わなかった教師の注意義務違反の結果の事故と損害賠償請求した。
【判決】
裁判所は。教師が立ち会っていても本件事故は防止することはできなかったとして、請求を棄却した。
【事例4】
子供会の年中行事で川遊びをしていた際。指導者の示した遊びの許可範囲を逸脱して遊んでいた3年生児童(男児)が溺死した。なお本会の川遊びは遊泳を目的としたものではなかった。
【判決】
育成会の役員3名の安全配慮違反を認めてはいるが、被害児童の過失を8割とした。

上記の事例は、12月4日の研修会講師の日野先生より事前に頂いた資料の一部です。



【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
○インターネット受験について、受付をホームページにて行っております。
【受験手順】
受験日を選択→ネット決済システムに登録→受験システムにログイン
→受験日当日(画面解答入力 ※3級の場合は動画講習あり)→1週間以内に合否通知

【検定試験実施要項】
こちらのURLからダウンロード確認出来ます。
https://00m.in/qxiSc

・オンライン検定試験
■3級:オンライン講義の後に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
12月11日(日)、1月14日(土)、2月12日(日)、3月18日(土)
■2級:公式テキストを参考に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
12月17日(土)
■申し込み・詳細
https://bukatsujapan.jimdofree.com/


【5】「スポーツ少年団 改革プラン 2022」
「スポーツ少年団 改革プラン 2022」読んでみました。
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/syonendan/2022/kaikakuplan2022pamphlet.pdf
安全やハラスメント対策、スポーツの意義、組織拡大の方針等、中身の謳い文句は素晴らしいのですが、肝心な部分のプランニングがないように思えます。

「誰がいくらもらって、何をするかが書いてない。」

お金の流れが見えない計画をもとに動くから不正なお金の流れを生む結果になるのではないか。

ボランティア、無報酬の活動頼みで公共事業を進めると一部の既得権益を持った個人・団体が不正に利益を得る構図になる危険がある気がします。

東京オリンピックの汚職事件の二の舞いにならなければ良いがと心配です。ボランティアスタッフの善意の活動を踏み台にし、その裏で私腹を肥やす行為は許せません。

指導だけでなく、多くのスポーツ大会の運営は、ボランティア行為で賄われているのが実情です。やはり、スポーツ活動、文化活動に、しっかり予算を計上して、支えていく仕組みを期待します。

サッカーw杯に、日本中が歓喜で揺れた瞬間に多くの人の「感動をありがとう」というセリフを耳にしました。国全体に与えた影響、効果は計り知れないと思います。

政府には、もらうだけではなく、支えるための予算を、是非検討して頂きたいです。このままの「ただ乗り状態」の早急な脱却を希望します。


【6】教育新聞社の取材を受けました
https://www.kyobun.co.jp/news/20221019_03/?fbclid=IwAR15sma44sebIIif-sVa8Rvi-Mi2DLx8WUJtsxCpMunYldtgzIkPkje57d8

以下、抜粋です。
〜専門職としての部活動指導員の職能団体が必要〜
 「現在の部活動指導員は質のばらつきが大きい。競技の経験があったとしても、スポーツ指導や学校教育への理解に対しては素人である場合も多く見受けられ、そうした人が中高生を教えるのは危険だ」
 そう警鐘を鳴らすのは、日本部活指導研究協会の中屋晋代表理事だ。2015年に設立された同協会ではこれまで、部活動の指導者向けの研修プログラムや、資格認定制度としての「部活動指導員検定」の創設などに取り組んできた。中屋代表理事によると、最近では部活動の地域移行を見据えて教育委員会からの問い合わせも増えているという。
 「安心して任せられる部活動指導員のための検定試験」をうたう部活動指導員検定では、スポーツメンタルや体幹トレーニングなどの専門的な指導法を身に付ける指導分野専門科目に加え、スポーツ庁や文化庁が休養日や活動時間の目安などを定めた「部活動ガイドライン」の内容を理解する学校一般科目、部活動の課題や教育的意義を専門家が解説する部活動教養科目があり、最新の知見を学べる更新研修も用意されている。
 元高校教員で、テニスの指導者としても知られる中屋代表理事は、部活動の教育的効果の高さを誰よりも実感している一人でもある。だからこそ「部活動指導員は本来、『スポーツ指導者』とは異なる専門の資格を持ち、選抜や育成の機能がなければならない。そのための職能団体が必要だ」と強調する。

今回もご高覧ありがとうございました。
部活研はこれからも具体的に行動します。
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◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104

◎「部活研通信」バックナンバーはこちら
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□発行 一般社団法人 日本部活指導研究協会
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