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配信日:2022/10/11
部活研通信:研修会「部活中の事故責任は全て指導者が負うのか」等
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一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称:部活研)
「部活研通信」
"役立つ研修情報や部活動関連の情報をお送りします!" < 2022.10.10 配信 Vol.83>
info@bukatsu-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
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衣替えの季節ですね。制服のある学校は、生徒の装いも変わり、秋を感じる頃かも知れません。

さて、いつもの通り、部活指導関連の情報をお届けします。
12月の研修会の告知もあります。
そして、いつもの様に部員の心が変わるとっておきの話もあります。
☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104
◎部活研Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCyk_TeDJ8rNeA4xTdqTuq2g
◎資格更新期限の変更について(2022.8)
https://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2022/10/05/165218

それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心が変わるとっておきの話
【2】部活News
【3】12月研修会「全て指導者が負うのか。「法」が求める安全配慮義務と事故責任とは」
【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
【5】学習指導要領から「部活動」が削除されるのか
【6】大会運営を担う教員の報酬は?

文責 中屋晋
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以上をお送りします。

【1】部員の心が変わるとっておきの話
〜速さを生む身体的要因〜
スポーツの技術の二大テーマと言えば、「速さ」と「安定」ではないかと思っています。
つまり、いかに速く、いかに安定させるか、だと思うのです。

今回は、速さのための身体的条件について書いてみたいと思います。今まで私の知る限りの知見で、速さを生む身体的要因としては「長さ」が大きな要素であるということを記憶しています。身長だったり、腕の長さだったり、足の長さが大事だということです。

この「長さ」に加えて、更に必要な要素のヒントになる実験の記事がありました。国際武道大学の笠原政志教授が、高校1、2年生の野球選手1030人を対象に各部位の体組成を測定し、球速との相関関係を分析するといった実験でした。

以下、この知見で、「速さ」を生み出すために、私が注目した指標です。
・140km/h以上投げる選手のグループの胸囲平均は100cmを超えている。
・筋肉の発達の特徴は、大胸筋ではなく、背中側のボリュームにある。
・腕を太くするというより体幹部から下肢にかけての筋肉量が必要である。

ということは、背中にしっかりと筋肉がついていることが球速の速い投手に共通していることになります。これは、スイングスポーツのトレーニングを計画するに当たり大事な指標になる興味深い実験結果だと思います。

科学的知見に基づいたトレーニングは、効率的な指導法に繋がります。そして、経験や勘だけでなく、知識によって練習計画を立てる習慣は、非合理な指導、乱暴な指導を無くすために不可欠なことです。

そして、具体的な事例の提示は、生徒の練習内容への納得、更にはモチベーションに繋がると思います。更に詳しい情報は、以下のサイトを参考にして下さい。
https://the-ans.jp/coaching/train-up/243201/

【2】部活News
○部活動の「地域移行」って何?
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/insight/article/20220912-1.html
(NHK)

○部活動が再開も 県の停止要請に「全ての人に厳しくするのなら納得できるけど…」釈然とせぬ生徒たち
https://nordot.app/942256931317907456
(山陰中央新報)

○先生が部活を見なくなる? 間もなく始まる改革 「地域」に子供たちを指導できるのか
https://onl.la/sLs2ruR
(毎日新聞)

○公立中休日部活動で指導者支援へ 三井住友火災保険が新認証制度
https://nordot.app/943841346195505152
(KYODO)

○部活は学校から切り離せるか その功罪と先生の本音
https://mainichi.jp/articles/20220924/k00/00m/040/112000c
(毎日新聞)

○ユーフォリア、さいたま市とIT活用「スマート部活動」推進
https://news.yahoo.co.jp/articles/96b80619b09a51a07e54507e1a017f683cde1b28
(ASCII)

○依願退職…生徒12人を殴ったり、竹刀でたたき、喉を突いた剣道部元顧問 体罰中の生徒、防具なく顔腫れる
https://www.saitama-np.co.jp/news/2022/09/27/07_.html
(埼玉新聞)

○地域クラブも大会参加 部活動改革の提言判明
https://news.yahoo.co.jp/articles/d783e92ada3ecde5d91963dacfbe077feacd88a1
(産経新聞)


○部活の外部指導者、増す責任 求められる教育的意義、生徒の安全確保必要
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c4c08c5f868c44f020f596e342fcb1c7212071d
(文春オンライン)



【3】次回研修会の「部活中の事故責任は全て指導者が負うのか」
日時:12月4日 13時〜16時
講師:日野一男
元実践女子短期大学 生活福祉学科教授
日本ハラスメント&リスクマネジメント研究所 代表
著書 「学校事故から子どもを守るー判例に学ぶ教師の実践マニュアルー」 健康双書「夏場のスポーツ事故を防ぐ」 大修館書店

・テーマ「万一のために知っておきたいリスク管理とパフォーマン向上の両立について」
〜全て指導者が負うのか。「法」が求める安全配慮義務と事故責任とは、〜
・内容
今回の研修は、指導者が賠償責任を問われる事例を参考に、法の求める安全確保責任や、生徒から信頼される指導者像とはを探ります。
スポーツ指導に限らず全ての指導現場に潜む意外なリスクに気づき、日頃より対処することは大切です。
安全にコーチ・指導を行ううえで、具体的に危険な状況とその存在を知り、リスク管理とパフォーマンス向上を両立するための方法を勉強したいと思います。
更に、万が一、事故が起きた場合にその適切な対処の方法を過去の出来るだけ多くの判例からお伝え出来ればと思います。
法律論を含め、指導者として知るべき総合的な話を伺える貴重な機会になります。
もしものためのリスク管理にお役立て下さい。
◆プログラム
13:00〜14:00「知っておきたい指導者が賠償責任を問われる事例」日野一男
14:00〜15:00「リスク管理とパフォーマン向上の両立について」日野一男
15:00〜15:30「部活動地域移行の今後について」 中屋 晋
15:30〜16:00 研究協議と意見交換
参加費:3000円

◆申し込みはこちらから
https://kokc.jp/e/9d5958ab6612d45aeee00e6eb1780e44/

※ご入金後のキャンセルは出来ませんので、ご注意下さい。
※ZOOMアクセス情報は、開催1週間前にメールで連絡します。
※研修ポイント:1(指導分野専門科目) 


【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
○インターネット受験について、受付をホームページにて行っております。
【受験手順】
受験日を選択→ネット決済システムに登録→受験システムにログイン
→受験日当日(画面解答入力 ※3級の場合は動画講習あり)→1週間以内に合否通知

【検定試験実施要項】
こちらのURLからダウンロード確認出来ます。
https://00m.in/qxiSc

・オンライン検定試験
■3級:オンライン講義の後に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
10月16日(日)、11月12日(土)、12月11日(日)
■2級:公式テキストを参考に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
12 月17日(土)
■申し込み・詳細
https://bukatsujapan.jimdofree.com/



【5】学習指導要領から「部活動」が削除されるのか。
今年の6月に有識者からなる検討会議により、スポーツ庁への提言が提出されました。

そこには「中学校学習指導要領の総則における部活動に係る規定を抜本的に見直す」との記述が確かにあり、更に「1.教育課程の改善と学校評価、教育課程外の活動との連携等」の部分に規定されている部活動の意義や留意事項については、削除の可能性を示唆する記述もあります。

およそ10年に一度改訂されている学習指導要領ですが、次の改訂はだいたい5年後と考えられます。その時までに、抜本的な検討がなされることは確かで、その内容で部活動が削除されることは十分予想されます。

実は、平成10年に部活動の記述が学習指導要領からなくなったという過去の経緯もあります。その結果、長時間活動、長時間残業など、現状の部活動の過剰な膨張を生んでしまったという指摘もあります。曖昧な制度設計は、無秩序な指導を生んでしまうと思います。

今後、学習指導要領から部活動の記述がなくなった場合、やはり、同じような事態が懸念されます。そうならないために部活動を管理、運営する仕組みを構築する必要があると考えています。

平成31年に、スポーツ庁から日本版NCAAによる大学運動部の管理運営の構想が示されましたが、今後、学習指導要領のなかの部活動についての指導基準がなくなるのであれば、中高部活動についても同様の構想も一案であろうと考えています。

◎運動部活動の地域移行に関する検討会議の提言https://www.mext.go.jp/sports/content/20220722-spt_oripara-000023182_2.pdf

◎文化部活動の地域移行に関する検討会議の提言
https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/sobunsai/chiiki_ikou/pdf/93755101_02.pdf


【6】大会運営を担う教員の報酬
教員が無報酬で支えてきたのは、部活動指導だけではありません。高体連、中体連のもとで、大会運営を担う競技毎の組織も、教員によって支えられています。

多くは、都道府県単位で役員が決められ、大会運営を任されています。時には、自分が顧問する部活動の部員を動員することもあります。

先日、高校のある競技の大会運営の役員を長年務め、全国的大会の運営も指揮をする立場の先生のお話を伺いました。

ちらっと見せて頂いた予定表には、会議、打ち合わせの予定が、立て込んでいて、特に年に何回もある大会前などは、一見してその多忙な状況が見て取れました。

そこで、失礼ながら、おおよその報酬について聞いてみました。その先生は全国大会の審判の責任者でもあり、その競技の全国組織の幹部という立場の方です。

すると、交通費、宿泊代、食事代は、支給されるとのこと。その他、特に事務手当て、又は役職への手当ての様なものはなく、ご本人様曰く、損しない程度だと思っているとのことでした。

この辺の報酬についての話は、恐らく、学校関係者以外の方々は、全く想像がつかないところだと思います。

もしかしたら、大会運営の仕事に対する報酬があると思ってる人も多いのではないでしょうか。

実は、部活動について、無報酬で教員が支えてきたのは、部活動指導だけではなく、大会運営もなのだということは、今後、学校教育と部活動との関係を整理するに当たり、現状把握をしておく必要性を感じます。

また、高体連、中体連の財政状態について、併せて把握しておくことも検討すべきではないでしょうか。



今回もご高覧ありがとうございました。
部活研はこれからも具体的に行動します。
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◎協会スタッフ募集のお知らせ
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