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配信日:2021/10/12
部活研通信:研修会「生徒の実力を引き出すメンタルトレーニング」他
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一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称:部活研)
「部活研通信」
"役立つ研修情報や部活動関連の情報をお送りします!" < 2021.10.10 配信 Vol.71>
info@bukatsu-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
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学校現場では、文化祭、体育祭の時期ですね。まだまだ神経を使う状況ではありますが、学生時代の貴重な体験の場を工夫しながらでも確保してあげたいものです。

連載記事「カナダトロントの部活事情」も3回目です。ご質問、ご感想を受付けています。
現役バリバリのアスレチックトレーナーのアドバイス記事も参考になると思います。
そして、いつもの通り、部活指導関連の情報をお届けします。
生徒のやる気のきっかけに活用出来るとっておきの話もあります。
☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎協会スタッフ募集のお知らせ
一緒に新しい部活動制度を作りませんか
http://bukatsujapan.hatenablog.com/entry/2020/10/31/131104

それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心が変わるとっておきの話
【2】部活News
【3】部活研主催研修会の情報「生徒の実力を引き出すメンタルトレーニング」
【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
【5】アスレティックトレーナーがお勧めする病院受診の仕方
【6】新連載記事「カナダトロントの部活事情」(3)

文責 中屋晋
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以上をお送りします。

【1】部員の心が変わるとっておきの話
〜部活動と人間関係形成〜
▲文化祭の思い出
昔、高校の教員だった頃の1番の思い出といえば、やはり、文化祭の時の思い出です。

文化祭の前日、準備が間に合わない状況で、文化祭実行委員の生徒が、黒板の前に立って、明日、朝7時に集まって欲しいという主旨の話を皆に伝えたところ、大ブーイングを浴びたことがありました。

担任としても、口添えはしたものの、漂う冷ややかなムードのなか、文化祭の責任者の生徒たちの泣きそうな顔は今でも覚えています。

翌朝、誰もいない教室で文化祭実行委員の生徒たちと無言で、クラスメイトを待っていたところ、1人登校、2人登校、遂には、クラス全員が朝7時に集まった時、経験したことのない胸の高鳴りを感じたものです。文化祭実行委員の努力している姿を見て、それぞれが判断し、取った予想外の行動との遭遇、これこそ教員時代に1番感動した瞬間です。

▲特別活動をする意味
教育課程のなかの特別活動という括りになる文化祭は、受験科目でもないし、通知表の5段階評価もない、つまり、自分の進路のためには、はっきり目に見えてプラスにならない活動なわけです。

やったところで、それが自分にとって、当面得になる活動ではないことが、お互いわかっているなか、敢えて協力することの意味は、いくら理屈で説明したところで、その場にいて経験しないとなかなか理解は出来ないことです。

▲人間関係形成のために
会社勤めの社会人へのアンケートで、1番多い悩みは、やはり、人間関係についての悩みだそうです。

その人間関係形成において重要なことは、お互いの私利私欲をどこまでコントロールするかなのだと思います。つまり、命令でも、個々の損得でもなく助け合いが出来る関係を作ることが大事で、学校生活において、そんな関係性に遭遇することは、何物にも代えがたい人間関係形成のための貴重な経験になるはずです。

▲特別活動の目標
学習指導要領のなかで特別活動の目標としては、次の3つの視点があげられています。「人間関係形成」、「社会参画」、「自己実現」の視点です。

やはり、最初にあげている人間関係形成が、重要かつ基本の位置づけになると私は考えています。そして、現在の教育課程のなかでは、最も効果的に実践出来る活動が特別活動の諸々の活動なのだと思います。

▲部活動と人間関係形成
残念ながら、部活動は、様々な事情で特別活動の括りに入っていませんが、ここまで部活動は、学校教育のなかでの実績からも、人間関係形成のための学習手段としての評価は、かなり高い活動になっているのは事実です。

この辺も、部活動が学校教育のなかで大きな存在感を保ってきた要因であり、今後も期待される点なのでしょう。

前述の文化祭の例のように、個々の行動が思いがけずクラスの絆になる瞬間は、部活動では日常的に見られます。指導者としては、その時を捉えて、共同体感覚についての学習機会にすべきということは言うまでもありません。

▲知識を活かすには
知識を社会のかなで活かすためには、まず自分が所属する集団内の信頼関係を作る必要があります。部活動の場は、その信頼関係の重要性を実感出来る場であり、それによって人間関係形成の成功体験を得られる場でもあります。

豊富な知識や優秀な技能を持っていても、共同体感覚が欠けていれば、思う様に事を先に進めることは出来ません。部活動の指導者としては、この辺の部活動の目的や意義を適切に伝える役割を負っているということもはっきりと自覚すべきと考えます。

▲部活動の役割
例えば、勝ちにこだわるにしても、勝利至上主義を否定するにしても、まずは、部内の人間関係形成ための指導があって、その上で考えることなのではないでしょうか。

教科活動で育まれた思考能力は、特別活動や部活動で養われる共同体感覚が伴って有効に機能するのではと思います。部活動が、課外活動とは言えど学校教育にとって重要な戦力と言わざるを得ない大きな理由がそこにあります。


【2】部活News
○部活動も再開「うれしくて泣きそう」 緊急宣言解除
https://mainichi.jp/articles/20211002/rky/00m/040/006000c
(毎日新聞)

○若い教員に伝えたい 「私の部活動指導は間違っていた」と
https://www.asahi.com/amp/articles/ASP9K74P9P9KUTQP003.html
(朝日新聞)

○萩生田氏「司法の改善要求、重く受け止め」 公立校教員残業代訴訟
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ed1867989301545101e839a96ad67ca9f239886
(毎日新聞)

○部活で始まるメンタルヘルスへの取り組み 「弱音を吐かない」美徳は米国でも変化
https://the-ans.jp/column/192188/
(TheAnswer)

○グラウンドに1カ月ぶり球児の声 青森で中学高校の部活動解禁
https://kahoku.news/articles/20211001khn000060.html
(河北新聞)

○<新型コロナ>学校の運動部、計4人に…埼玉67人感染 保健所「今の状況いつまで続くか予想できない」
https://www.saitama-np.co.jp/news/2021/10/06/02.html
(毎日新聞)

○高校の課外活動で新たにクラスター 新型コロナ・京都、2日夜発表
https://news.yahoo.co.jp/articles/7cfd489b0e4c1d709d9829b6932d104de8e928a1
(京都新聞)


【3】部活研主催研修会の情報「生徒の実力を引き出すメンタルトレーニング」

<講師>笠原 彰
作新学院大学経営学部スポーツマネジメント学科 教授
とちぎスポーツ医科学センター メンタルコーチ
さくらクリニック メンタルコーチ・顧問
栃木国体強化対策向上委員会 栃木国体強化対策向上委員会委員

<内容>
メンタルトレーニングは、メンタル面は学習することができるという考えがベースになっています。スポーツ心理学の理論に基づく科学的トレーニングによって、競技力向上・実力発揮、心身の健康、人間的成長を目的としています。

本講習会では、生徒のメンタル面を高めるプロセス目標、熟達志向、プラス思考とマイナス思考の捉え方、リラクセーション、集中力、マインドフルネス等について、動画と実技を交えてお話をさせていただきます。

今回の研修は、部活動指導に興味のある方は、どなたでも参加できます。
何より生徒が生き生きと活動出来る部活動運営のための研修会になればと考えております。
◎本研修は、部活動認定3科目のなかの「指導分野専門科目」に該当します。
<詳細>
2021年12月12日(土)13:00〜15:00
会場:オンライン会議「ZOOM」
※「zoom」というビデオ会議アプリを使います。サインアップは無料です。
ダウンロードはこちらから
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

参加費:部活動指導員3,000円(学生無料)
講義「生徒の実力を引き出すメンタルトレーニング」2時間、
※部活動の部員参加の場合は、指導者の方の申し込みフォーム内コメント欄に人数等をご記入下さい。

◎申し込み先
https://www.kokuchpro.com/event/b1f05734fe69b9a430c9f82b0b32c282/

◎お問い合わせ先
shin.nakaya@bukatsu-japan.com

※受講希望の方は画面下「お申し込み」をクリックして申込みフォーム画面から必要事項をご記入下さい。
※申込みの際、受付確認用のメールアドレス(携帯メール不可)をお知らせ下さい。
※参加費(3,000円)の振込が確認できましたら正式に申し込みが完了となります。その後、研修会1週間前までにオンラインセミナー参加に必要な情報をメールにてお知らせいたします。
※ご入金後のキャンセルは出来ませんので、ご注意下さい。

【4】部活動指導員検定3級、2級試験実施について
○インターネット受験について、受付をホームページにて行っております。
【受験手順】
受験日を選択→ネット決済システムに登録→受験システムにログイン
→受験日当日(画面解答入力 ※3級の場合は動画講習あり)→1週間以内に合否通知

【検定試験実施要項】
こちらのURLからダウンロード確認出来ます。
https://00m.in/qxiSc

・オンライン検定試験
■3級:オンライン講義の後に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
9月18日(土)、10月16日(土)、12月18日(土)
■2級:公式テキストを参考に画面解答入力 合格基準:正答率80%以上
<予定>
12月26日(日)
■申し込み・詳細
https://bukatsujapan.jimdofree.com/


【5】アスレティックトレーナーがお勧めする病院受診の仕方
成長期の生徒を指導する指導者として日常的に直面するトラブルに、「怪我の対応」があると思います。
今回は、株式会社 Sports Multiplyの代表の佐藤 哲史トレーナーに「アスレティックトレーナーがお勧めする病院受診の仕方」と題して解説をお願いしました。

◎『アスレティックトレーナーがお勧めする病院受診の仕方』
はじめまして、アスレティックトレーナーとして、スポーツ現場や医療機関にて部活動サポート行っています佐藤哲史と申します。

今回は、部活動で学生が怪我をした際の正しい医療機関の選び方についてご紹介させて頂きます。

怪我の緊急性によっては、救急車などの手配が必要になりますが、今回は一般的な医療機関(整形外科)を受診するケースとして紹介していきます。

ケガをした際に、考えることは、命、後遺症、日常生活、スポーツ復帰の順になります。

多くの場合は、元のスポーツに戻れますが、必ずではありません。

怪我をしてしまった生徒が、安全にスポーツや体育に戻るためには、正しい診断が第一になります。

骨折や靭帯損傷などの程度を見誤ってしまうと、初期の治療が正しく行われずに、治癒が遅れてしまいます。

見誤る確率を少なくするためにも、病院選びの段階からキチンと考えることが大切です。

医師には、専門性があり、どんな怪我でもしっかり理解している訳ではありません。

一般的な怪我の治療は可能ですが、やはり人間ですので、得意不得意はあります。

我々アスレティックトレーナーが、専門医を受診することをオススメする理由は、専門性によって診断&#12316;治療の流れが異なるからです。

スポーツによる怪我の多くは、整形外科を受診することになります。

整形外科でも、スポーツ傷害を多く見ている医師とそうでない医師とでは診断に違いが出ることもあります。

また、診断のあとに行うリハビリテーションがスポーツ復帰を目的としたものであれば、電気治療などで終わることはありません。患部は安静にしていても、患部外トレーニングを指導してもらえるような整形外科がお勧めです。

整形外科医の専門性は、スポーツ以外にも、関節毎の専門性を持っています。

肩関節の専門、脊椎の専門、膝関節の専門、足関節の専門、手・肘関節の専門など。

怪我をした関節によっては、その関節を得意とする医師に診察してもらうことがポイントす。

※株式会社 Sports Multiply 代表:佐藤 哲史トレーナー
https://sportsmultiply.wixsite.com/sports-multiply



【6】新連載記事「カナダトロントの部活事情」(3)
&#12316;日本とカナダ、異なる環境のなか3人の野球少年の母親が見たものは&#12316;

・筆者より
私は2007年3月末から2016年1月まで約9年間、夫の赴任に伴いカナダのトロントで暮らした。日本の学齢で小4終了、小学校卒業、中学校卒業した時点で移転した3人の息子は、現地の公立学校の教育を受け、カナダと米国の大学に入学した。移転して家を決める前に野球チームを決めたほど野球バカの一家だが、東京の少年野球チームや中学の野球部での経験が、英語もろくにできない子供たちがスムーズに現地になじむ大きな力になってくれた。

 一方、冬の寒さと降雪の厳しい現地では、野球は夏季限定のスポーツだが、そのことが逆に日本では経験できないようなスポーツや学校でのクラブ活動を経験することができた。今回、本メールマガジンで、カナダ・トロントの部活動事情をご紹介させていただけることとなった。10年以上前のことなので、現在はだいぶ変わっているかもしれないし、記憶が間違っていることもあると思うし、あくまで一保護者の狭い経験に基づくものであることは、あらかじめご理解いただきたい。

《練習・試合と保護者の関わり》
水泳、陸上のように大会の1ヶ月以上前から練習する部が多いが、大会直前に結成して数回しか練習しないバレーボール、野球等もある。前者はチームとして各選手がどの種目に参加するかを顧問が決めるために、練習が必要だと思われる。後者はトライアウトでほぼチーム編成ができ、試合を経てポジションや役割を決められるからのようだ。

練習は朝始業前、昼休み、放課後の時間外に行われ、原則として顧問が立ち会い、指導するが、顧問と別に外部指導者がいて自校で行う場合は、顧問が立ち会わない場合もある(注1)。競技経験のある保護者が指導者や監督になることもある。いずれにせよ、前述した書類で保護者(成年の場合は本人)の活動承諾は取り付けてある訳だ。

試合は前述通り、所属する地区の体育委員会毎に会場を持ち回りで行われる(注1)。授業時間中に行われることが多く、学校を代表して試合に参加する場合は、欠席する授業の先生に届け出れば、出席扱いになる。ただし、テストや課題が免除になる訳ではないので、各自で別の時間に設定し直してもらう必要がある。低学年の場合は先生が引率して公共交通機関で行くか、保護者が送迎する(注2)。週末に試合があった記憶は無いが、陸上競技、ビーチバレーなど、休日に終日大会が開催されたこともあった気がする。試合の結果は新聞に掲載される。

保護者の応援、観戦は自由で、日中、仕事を抜け出して応援に来る父親が多かったのが印象に残っている(注3)。複数の部活動で顔を合わせるうちに保護者同士が知り合いになることが多く、大会の時のおやつや飲み物の差し入れを分担したり、大会後に学校で先生を含めて打ち上げランチを設定したりしたものだ。次男の高校のバレーボールチームの場合、保護者は私以外は参加できなかったため、送迎、応援、差し入れはほぼ皆勤だったが、楽しませてもらった上に、大会後に選手と顧問の先生からお礼のカードとネーム入りの手帳をもらったのには感激した。(続く)

注1:練習場所・試合場所は学校の校庭や体育館でできる場合は自校、ホッケー、野球は地元のホッケーリンクや野球場、フリスビー、タッチフットボール、ビーチバレー、クロスカントリーなどは、地域の公園、競技場を使用する。原則として対戦相手の学校とホーム、アウェイの2試合を行う。シティ、OBAは、市営水泳場、トロント大学等大学、市営陸上競技場等の競技場やリンクなどを使用する競技もある。
注2:カナダでは16歳で自動車を運転できるが、1年目の初心者運転免許G1では未成年を同乗させることはできない(自分は自家用車で移動できるが、チームメイトは乗せられない)。中級者G2、上級者Gと免許を更新していくと制限がなくなっていく。シティやOBAの決勝等、重要な試合には校長が学校便りで広報するだけでなく生徒を引率して応援に行くこともある。その場合は応援に行く生徒も欠席扱いにはならなかった。
注3:トロントでは学校を始めとする子供の活動への父親の参加・協力は非常に多く、とても自然なことである。学期に2回(学期開始後すぐと中間試験後)ある保護者面談は低学年の場合は丸1日、高学年になると数日にわたって朝から夜まで時間枠が設けられるので、教科ごとに予約するが、多くの父親が参加し、勤務先も参加のための休暇は問題なく認められる。部活動の試合や大会の応援、野球等習い事への送迎・見守りは、日本ではもっぱら母親の役割だが、トロントでは父母共に同じように参加していた。

※鈴木典子さんのブログです。
https://thegroupofeight.com/category/writers/%e9%88%b4%e6%9c%a8%e5%85%b8%e5%ad%90%e3%80%80noriko-suzuki/
※本連載記事「カナダトロントの部活事情」についての、ご意見、ご感想、質問等は、info@bukatsu-japan.comまで、お待ちしております。


今回もご高覧ありがとうございました。
部活研はこれからも具体的に行動します。
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◎協会スタッフ募集のお知らせ
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□発行 一般社団法人 日本部活指導研究協会
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