メール一覧に戻る
配信日:2020/05/11
部活動指導員検定2級と更新研修「指導者のための感情マネージメント」他
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称:部活研)
「部活研通信」
"部活動指導者のための部員の心を変えるとっておきの話" < 2020.5.10 配信 Vol.54>
info@bukatau-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
新型コロナウィルス感染の拡大終息の見通しが立たない状況です。
歴史に残る混乱が起きています。
周りに流されない冷静な正しい判断が一層大事になりますね。

さあ、今回も部活指導関連の情報をお届けします。
生徒のやる気のきっかけに活用出来るとっておきの話もあります。

☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎部活研通信、一般会員入会のお願い
一般会員になることで、「当協会主催の研修会への参加料金が割引になる」などのサービスを受けることができ
ます。当協会の目的にご賛同いただける方は、
https://bit.ly/2SNszmu よりお手続きをお願いいたします。

それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心を変えるとっておきの話
【2】部活News
【3】部活動指導員検定3級、2級インターネット受験のご連絡
【4】第1回部活動指導員検定2級検定試験
【5】部活動指導員検定資格の更新研修受付開始
【6】部活動指導員の人件費確保の問題について
文責 中屋晋
☆::::::::::::::::::::::::::::::::::☆
以上をお送りします。

【1】部員の心を変えるとっておきの話
〜心の安全地帯について〜
今までテニスコーチとして、プロの選手からジュニアまでを指導してきました。1つ感じたことがあります。勝負強い選手にはある特徴があったように思います。

一言で言うと「一歩踏み出す勇気」、これがあった気がします。この勇気は、潜在的な意識と大きく関係して、つまり、咄嗟の時の、踏み止どまるか、踏み出すか、その1歩です。

私が考える「一歩踏み出す勇気」を持った選手に関わる特徴は、2つです。

[生まれ順による特徴]
1つは、兄弟姉妹の1番上ではない、つまり第1子でないという傾向です。生育過程で、第1子は、どうしても行動の前にレールを敷かれていたり、行動を制限されたりなどの場面が多く、また、日常的に自分より下の子に手加減をしなければいけない場面も多く、行動範囲が思考の制限の域から出にくい。

これらは勝負のための決断力を養うという点では、かなりのマイナス要素になります。世界で活躍するトップアスリートには、第1子が少ないという実態もあります。例えば、羽生選手、錦織選手、大谷選手、イチロー選手、大坂選手、桃田選手なども第2子以降で、つまり、皆、お兄さん、お姉さんがいます。

指導者としては、当然、この家族構成はどうしようもありません。

[接し方のバランス]
そこで、もう1つの特徴ですが、それは、指導者を含めた周りの家族、友人たちからの影響に関わる特徴です。要は、接し方のバランスということになるのですが、どういうことかというと。

たぶん、指導者の方々は、生徒に対してどこが良くてどこが悪いのかを常に具体的にアドバイスをしたいと考えると思います。

なぜなら、現状を正確に知らせることは、今ある状態を改善することに繋がる指導になるからです。

何が良くて何が悪いかを正確に知らせること、これを続けることで、生徒は間違いなく成長するでしょう。しかし、勝負強い選手に育てるためには、これだけでは不十分なのです。

例えば、ある選手が大きな決断をしたとします。決断とは判断と違って、確率の問題を抜きに行われる決定です。ですから、失敗した時に、批判される可能性が高いのです。

[心の安全地帯]
それでも決断に踏み切るためには、心の安全地帯が必要なのです。失敗しても、必ず褒めてくれる人が周りにいるということも1つです。しかし、理屈抜きに全肯定してくれても、効率的な弱点の修正になるとは言えないでしょう。

確かに、良いものは良い、悪いものは悪い、白黒を正確にはっきりさせる指導は必要です。しかし、一方では、どんな結果をも受け入れてくれる心の安全地帯が、無謀かも知れないチャレンジの背中を押してくれる要素になるのです。

今まで接してきた勝負強い選手には、正確なアドバイスをしてくれる人だけではなく、ただただ全てを肯定してくれる天然ぼけのような(失礼ですが)存在が必ずいました。

要するに、結果に左右されない絶対的な安心感、信頼感だと思います。失敗した後に、非難されたり馬鹿にされたりすることが、脳裏に浮かぶというより、失敗しても誰か助けてくれる、評価してくれるということが、頭に浮かぶ習慣が身に付いている、絶対的な愛を身近に感じている選手は、大勝負でも思い切った判断が出来て、チャンスをものに出来るのだと思います。

周りにイエスマンばかりを揃えても、機械的に評価する人ばかり揃えても、大事な勝負を勝ち切ることは出来ないでしょう。ポイントは、判断と決断のバランスですね。

正確に評価してくれる人は必要ですが、敢えて評価せずに理屈抜きで応援だけしてくれる人の存在も大きいと感じています。

【2】部活News
○「切り替えたい」「ポッカリ穴が」高校総体中止反応
https://www.nikkansports.com/sports/news/202004260000603.html

○岩手県高校総体、初の中止で生徒ら落胆 「最後に成果出せる場を」 新型コロナ
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200418/k00/00m/040/011000c

○休校中の「闇部活」コロナ禍でも強行される異様
https://toyokeizai.net/articles/-/340980
(東洋経済)

○「日本の部活動」が国際組織に本格調査される訳
https://toyokeizai.net/articles/amp/346715?display=b&fbclid=IwAR1Vng_8TmkGIWYfawkOkQZ0x-ygRHZ9xisOcphN0HcTI9p0Ew4s_qvAG0Y
(東洋経済)

○新型コロナ 部活中止、高3複雑  練習無駄に…/仕方ない
https://mainichi.jp/articles/20200412/ddl/k22/040/087000c
(スポニチアネックス)


【3】部活動指導員検定3級、2級インターネット受験のご連絡
インターネット受験による受験体制を整え、多くの方に受験をして頂きました。

○以下、受験後のアンケート内の感想の一部抜粋です。
・丁寧且つ合理的で良かったです。
・部活指導のあり方、学校教育について分かりやすく説明していただきありがとうございました。
・普段、個人で学んだいる事の復習ができていい機会となりました。
・自分の知識やノウハウだけでなく、合理的な見解が必要だと認識させられたし、その意識の蓋を開けることがこの研修で出来た。また、体罰が絶対だめだということ、一部肯定するような風潮があるがその背景理由もわかった。今回の経験と社会人として得た知識を外部指導員としていつか役立てたいと改めて思った。
・シンプルにまとめてあり、今後も自分自身のため、周囲の関係者のために納得する資料として携行したいと思っている。
・自身のスケジュールに合わせて学習を行えたので、とても良かったです。
・新型ウィルスの影響で、集合教育ではなく在宅での受講となりましたが、講習内容は分かりやすく臨場感を感じながら受講することができました。
・時間の拘束が少なく融通がききやすいのでこういった形式もあっても良いと思う。もう少し日程と時間に幅があれば、なお良かったと思います。
・とても良く理解できました。忘れていたことを気づかせてもらい、とても勉強になった。

○インターネット受験について、受付をホームページにて引き続き行っております。
【受験手順】
受験日を選択→ネット決済システムに登録→受験システムにログイン
→受験日当日(動画講習視聴→画面解答入力)→1週間以内に合否通知

お申込み・詳細はこちらから(2級受付は5月13日からです)
https://onl.tw/7hAtmbY

【検定試験実施要項】
〇こちらのURLからダウンロード確認出来ます。
https://bit.ly/3cmroCq


【4】第1回部活動指導員検定2級検定試験
検定3級は多くの方に受験を頂きましたが、引き続き2級のインターネット検定試験を下記の要領で実施致します。
日程:5月30日、31日
申込み受付開始:5月13日
申込み締切:5月25日

試験時間:60分
合格基準:正解率80%以上
・インターネットに接続可能な端末をご用意下さい。
・出題範囲は、部活動指導員検定公式テキストより出題をします。公式テキストを参考にご解答下さい。
・受験料7,000円(テキスト代含む)
・申し込みはこちらから
https://onl.tw/7hAtmbY


【5】部活動指導員検定資格の更新研修受付開始
○更新研修について
ホームページの検定試験概要に説明があります通り、部活動指導員検定資格には更新研修があります。
資格更新のためには、更新研修を一定期間内に受けて頂く必要があります。
以下、詳細です。
1.資格更新期限は、合格認定から2年とし、期限内に本協会指定の研修を受講することにより研修ポイント3ポイント以上を保有した場合にのみ所定の更新手続きを行ったうえで、資格更新が出来る。
2.期限内に必要な研修ポイントの取得がない場合は、名簿登録を抹消されるものとする。

〇認定部活動指導員向け研修の受付を開始いたしました。この研修に参加することで、認定級の更新に必要な研修ポイントを取得可能です。是非ご参加ください。
 なお今回は新型コロナウイルス感染防止のため、オンラインによる開催とさせていただきますのでご了承ください。

【更新研修申込みについて】
お申し込みは、下記URLの申し込みフォームよりお願いいたします。
お申し込み確認後、参加費振込口座をメールにてお知らせいたします。
参加費の振込が確認できましたら正式に申し込みが完了となりますので、その後オンラインセミナー参加に必要な情報をメールにてをお知らせ致します。

〇申し込みはこちらよりお願いします。
https://customform.jp/form/input/50063/

〇研修詳細 
・研修テーマ:指導者のための感情マネージメント
・講師:清川洋美 株式会社Beyond the Limits
    アンガーマネジメント・ティーン・キッズインストラクター
・日程:6月20日(土)10時〜12時
・場所:オンライン(zoom)
※「zoom」というビデオ会議アプリを使います。サインアップは無料です。
ダウンロードはこちらから
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

・定員:50名
・参加費:3000円(協会指定の銀行口座へお振込)
・研修ポイント:1ポイント
・締め切り:6月18日(木)


〜本研修では、感情の中でも強いエネルギーとなる「怒り」にフォーカスします〜
指導者が「怒り」の感情の構造を知り、仕組みを理解することで、「怒り」の感情と上手く付き合えることができるようになります。

感情が自身でマネージメントできるようになると、指導者と生徒との良好な関係性構築にも繋がります。
お互いの信頼関係の中で、生徒の効果的なパフォーマンスを最大限引き出し、可能性を広げ、結果に繋げることができる人材育成法を学びます。

さらに指導者として、生徒が効果的に「怒り」のエネルギーをパワーに変える「思考」
「行動」「伝え方」のトレーニング方法を学びます。

「思考力」=相手の価値観を受け入れることで相互理解が深まる
「行動力」=自身でコントロールできることから実践し、経験を積むことで自信に繋げる
「伝え方」=怒りの根底にある本当の気持ちを伝えることで関係性を築く

これらのトレーニングを習慣化することで、日々の部活動を通して生徒の「人間力」の土台をつくり、自ら考え行動する「自主性」を育みます。


【6】部活動指導員の人件費確保の問題について
平成30年度の文部科学省の部活動指導員配置促進事業、部活動指導員配置人数約7,100人に対する予算請求額は15億円で、この15億円のなかから部活動指導員の指導料の3分の1を補助に充当するとしています。

仮に15億円を全額約7,100人の部活動指導員の指導料に充てたとします。すると、部活動指導員の指導料として年間約20万円弱、月額約18,000円です。この額が指導料の3分の1だとすると部活動指導員の指導料は、月額最大でも約53,000円程度です。現実には、指導時間の上限もあるので月額3万〜4万の指導料が現状です。到底生業として、成り立つ金額ではありません。

実は、この人件費確保の問題は、部活動指導員だけでなく同様に部活動指導をしている教員を含めた部活動指導者全体で考える必要があると考えています。同じ時間帯で同様に部活動指導をしている部活動指導員は、指導料が発生し、かたや教員については勤務時間外の部活動指導業務に該当する手当てが規定されていません。

例えば、課外活動という位置づけの部活動が、勤務時間外まであり、いわゆる「超勤4項目」以外の教員の自発的勤務のなかで指導されている現状があります。この現状を考えると、制度として勤務時間の問題と、特に勤務手当ての問題は出口の見えない大きな問題に直面することになります。従って教員の給与体系から部活動指導に関する手当ては、切り離して考えざるを得ないのです。

部活動指導の実情は、言わば自発的活動への自発的勤務による指導です。つまり、ある意味自然発生的な業務であり、行政の監督下に位置付けること自体が馴染まないのではないか。もちろん、制度としてインセンティブな勤務手当てを設定することも難しい状況にあります。このような点が公立学校の業務として部活動を位置付けることの難しさと考えられます。

全国の配置された部活動指導員の指導料を調べてみると、1時間当たり1.500円から2,000円程度で、2,000円以上の学校は少数になっています。公的な財源からの計上には限界があります。ここが大きな課題に
言えるでしょう。


 今回もご高覧ありがとうございました。
 部活研はこれからも具体的に行動します。
*********************************************************************
◎「部活研通信」バックナンバーはこちら
https://sv2.mgzn.jp/pub/mailList.php?cid=N906697

◎部活研通信、新規会員のご紹介のお願い
info@bukatsu-japan.com まで、
お名前とメールアドレスを明記のうえご連絡願いします。
件名に「入会希望」とご記入下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□配信先の変更、購読停止について。
----------------------------------------------------------------------
発行システム:『まぐまぐ!』からご登録された方で配信中止を希望される方はこちら
http://www.mag2.com/m/0001670259.html
又はお手数ですが『配信不要』と記載してご返送下さい。
----------------------------------------------------------------
□ご意見・ご感想は まで info@bukatsu-japan.com
□発行 一般社団法人 日本部活指導研究協会
http://bukatsujapan.jimdo.com



メール一覧に戻る