メール一覧に戻る
配信日:2019/12/11
部活動指導員3級認定講習会について
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称・部活研)
「部活研通信」
”部活顧問のための部員の心を変えるとっておきの話" < 1. 12. 10 配信 Vol.49>
info@bukatau-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
師走です。
今年の12月は祝日がありません。何だか物足りないような気がします。

さあ、今回も部活指導関連の情報をお届けします。
生徒のやる気のきっかけに活用出来るとっておきの話しもあります。

☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎部活研通信、新規会員のご紹介のお願い
info@bukatsu-japan.com まで、
お名前とメールアドレスを明記のうえご連絡願いします。
件名に「入会希望」とご記入下さい。

それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心を変えるとっておきの話
【2】部活News
【3】第1回部活動指導員3級認定講習について
【4】「頭頚部外傷事故発生時フローチャート」
【5】書籍のご紹介『部活動指導で生徒の主体性を育てる』
【6】12月8日、部活動学会主催の研究集会の報告
【7】単純にブラック部活が悪、ホワイト部活が善という切り分けでいいのか
文責 中屋晋
☆::::::::::::::::::::::::::::::::::☆
以上をお送りします。

【1】部員の心を変えるとっておきの話
〜才能に2種類あります〜
結果が出なくて、評価されないことで、センスがないとか、才能がないとか思って悩んでいる人いませんか。

たぶん、自分が思っている様に出来ないとか、頑張っているのに時間ばかりかかって迷惑かけているとか、思っているのではないですか。

安心して下さい。今まで通り要領が悪くても、時間がかかっても、思っていることを続けて下さい。才能があるとか、センスがあるとか、そういうことは、その時だけのただの精神安定剤に過ぎません。

大事なことは、やらないと気が済まないという気持ちに日々つき動かされているかどうかです。その時の気分でたまたまやったことがうまくいったとしても、その後の人生には何のプラスにもなりません。

ただ、世間では、何の気無しにやったことが上手くいくとセンスがあるとか、才能があるとか言われもてはやされることが多いです。どうでもいいことです。

才能に2種類あります。すぐ出来てしまう才能と、失敗しても失敗しても続けられる才能と。この続けることを誰かに強制されたり、命令されたり、または報酬を期待したりではなく、やらないと気が済まないという気持ちで動いているのであれば、結果など気にせずに、今まで通りやればいいと思います。

なぜなら、人生で最も大切なことは、損得抜きに自分の気持ちに正直に前進することだからです。そんな人に人は共鳴し、時とともにいずれ近寄ってきて力になってくれます。

自分の想いに突き動かされて3年以上打ち込んでいることがあれぱ、それはやりたい気分ではなく、もう本気です。本気ならば周りの評価は、気にする必要はありません。迷わずその本気は大事にしましょう。


【2】部活News
○「日本一」を目指さない。本当に強いアスリートを育てるための「発想の転換」とは?
http://huffp.st/8Dzq0v5
(HUFFPOST)

○佐賀北男子バスケ部で監督が体罰「お前は病気だ」暴言も
https://www.asahi.com/articles/ASMCF35WHMCFTTHB002.html?iref=pc_rellink_02
(朝日新聞)

○教員むしばむ「心の病」 パワハラ、業務過多…休職後絶たず
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201911/0012880620.shtml
(神戸新聞)

○中学校の部活動中に目をけが…市に損害賠償を求めた裁判が和解へ「けがを負わせたことは事実」 高松市
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191126-00010011-ksbv-l37
(読売新聞)

○時代遅れの部活動 橋下徹氏と敏腕実業家が痛烈指摘「学校とスポーツは切り離せ」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191205-00010003-abema-soci
(Yahooニュース)


【3】第1回部活動指導員3級認定講習について
 ここまで部活指導者を対象に数々の研修会を実施して参りしまたが、それらの経験を踏まえて、部活動指導員の認定試験を主催することになりました。
 部活動については、曖昧な制度設計のもとにありながらも、大きな教育効果を上げ、学校教育のなかで無くてはならない大きな存在となっています。
 その部活動を健全なかたちで継続維持していくためには、部活動制度の改革と、安心して任せられる指導者の育成、この2点が大きな課題であることがわかりました。
 そのうえで、我々の今後の方針としては、協会として指導者育成の仕組み作りを更に発展させ、活動していくことを決めました。まずは、部活動指導員の資格認定制度を構築します。
 その一環で2020年3月15日に部活動指導員3級認定講習を実施いたします。

◎第1回部活動指導員3級認定講習
日時:2020年3月15日(日)
時間:13:00から
受講料・審査料:3,000円(学生1,000円)
会場:都内
申込:12月20日より当協会HPに掲載します。
※2級以上の資格につきましては、12月20日HP上に掲載致します。
※2018年10月14日、2019年3月16日、2019年10月22日の講習を受け、審査後受講認定証を受け取った方につきましては、そのまま部活動指導員3級に登録認定といたします。
3級認定証の発行希望の方は、2020年3月15日以降にご連絡下さい。


【4】「頭頚部外傷事故発生時フローチャート」
2019年11月23日に青少年スポーツ安全推進協議会のシンポジウムに参加してきました。

青少年スポーツ安全推進協議会は、子どもがスポーツ活動中の事故に遭われた家族が発起人となり、スポーツの安全な指導体制の構築のために活動をされている団体です。

今回の講師は、その発起人でもあり、部活動の問題点をいち早く取り上け?、フ?ラック部活という言葉を世に送り出した内田良氏と生徒主体の部活動で効果を上げるホワイト部活の体現者て?ある畑喜美夫氏をお迎えし「ブラック部活からホワイト部活へ」をテーマに部活動やスポーツ活動の未来を語って頂きました。

内田氏の講演については、以前このメルマガの記事で取り上げております。畑氏の講演については、12月8日の部活動学会でも講演がありますので、その報告記事で紹介致します。

今回は、シンポジウムで紹介された「頭頚部外傷事故発生時フローチャート」について述べさせて頂きます。

さて、子供たちの未来は、指導者の事故発生時の判断にかかっています。このことを念頭に青少年スポーツ安全推進協議会の澤田さんと長野県教育委員会が作成しました掲示用のポスターです。

子供たちが万が一事故にあった場合に、どう対応すればいいのか、全ての指導者は必要な知識として備えておかなければなりません。

「スポーツによる脳震盪は、そのまま競技・練習を続けると、これを何度も繰り返し、急激な脳腫脹や急性硬膜下血腫ど、致命的な脳損傷を起こすことがある。一般社団法人日本脳神経外科学会 」
以下リンクより「頭頚部外傷事故発生時フローチャート」をダウンロード出来ます。競技施設への掲示用としてご利用下さい。
https://documentcloud.adobe.com/link/track?uri=urn%3Aaaid%3Ascds%3AUS%3A1ef20482-e1d8-4bcc-a022-430f9011b414


【5】書籍のご紹介『部活動指導で生徒の主体性を育てる』
本協会の大津信亮理事がご自身の指導経験をまとめた本を刊行されました。
以下、紹介文です。

この度、書籍「部活動指導で生徒の主体性を育てる」を出版しました。
私の専門競技はテニスで、大学テニス部を指導した後、現在は公立高校テニス部の指導をしています。

部活動に参加する生徒たちは、大好きなテニスがしたい、友達が欲しい、新しいことにチャレンジしたい、など様々な思いを持っています。私はそんな生徒たちとテニスというツールを通じて繋がり、指導者として生徒たちの成長をサポートしています。

教育現場におけるスポーツ指導とはどういうものなのか?生徒の主体性を育てるにはどうすればいいのか? 私の指導経験から、それらのヒントになることを書かせていただきました。

これから部活動指導者としての活動を考えている方や、指導方法に悩んでいる現役指導者の方にはきっとお役に立ちますので、ぜひ読んでみてください。

Amazonにて購入できます。
『部活動指導で生徒の主体性を育てる』
https://www.amazon.co.jp/dp/4908229171

部活指導研究協会
理事 大津信亮



【6】12月8日、部活動学会主催の研究集会の報告
12月8日に部活動学会主催の研究集会が明治大学で開催されました。

私自身は、学会の理事を務めております関係で副実行委員長、そして全体の司会者として、進行に関わりました。

テーマは「生徒の主体性を育む部活動とは」についてでした。登壇された講師は、御2人で、全国軽音学部協会の三谷佳之氏、ボトムアップパーソンズ協会の畑喜美夫氏でした。

今回は、ボトムアップパーソンズ協会の畑喜美夫氏の後援について記事を書こうと思います。

<ボトムアップパーソンズ協会 畑氏とは>
講師は畑 喜美夫氏は、週に2回の全体練習、練習時間90分で全国制覇のサッカー部へ導いた元県立安芸南高校教員で、ボトムアップ理論を提唱して、その普及のために活動をされている方です。

講義のなかで気になったフレーズをいくつか紹介します。
「練習時間の終わりをしっかり決めると好きなサッカーへの取り組みが変わる」
「自発的に動き出す瞬間を見極めること」
「生徒の判断を奪うな、想像力を奪うな。そのためにやる気ときっかけを与え続ける」

畑氏の講演は、今まで個人的に何度か受講する機会があり、素晴らしい実績とそこまでの過程が分かりやすく説明されて、参加者の多くの方々は、新たな気付きを得て満足されておられたようでした。

ボトムアップ理論とは、生徒一人一人が自ら考え、積極的に行動を引き出す人間育成のための考え方です。樹木で言えば、枝葉や実がどうなるかよりも、根っこの部分が大切だということで、人間でいえば、結果や成果よりも、その人のあり方がどうなのかが大切で、そこをしっかり育成するための理論です。

<全てボトムアップではない>
ボトムアップでの指導は、生徒の主体性を軸に活動することにあるのですが、全て手放しで任せるということではありません。

手順としては、まず、挨拶、返事、後片付けといった基礎基本を定着させる指導があり、そこから挑戦に対する気持ちのハードル下げ、その経過を観察、見守り、気付かせる指導に入っていきます。

全部を任せることがボトムアップではなく、生徒が出来そうなところから、自分たちで決めてボトムアップさせ、自分たちで決めた計画は最後までやらせてみせることが大切で、判断を奪ったり、想像を奪ってしまうことにならないような配慮が必要です。ポイントは、生徒たちが動き出す瞬間を見極めることだそうです。

<人は規則や規律で動くんじゃなく風で動く>
畑先生は、教員生活30年のなかで、このボトムアップ理論をその時に属した職場で実践したわけですが、学校全体の取り組みに出来ないと効果的に考えた方が浸透しないとのことだそうです。

人は風によって動くので、つまり、風を変えるために環境整備から取り組むことが必要なのです。例えば部室の整理整頓を、汚い、だらしないと感じている気持ちを、皆が使いやすいようにするという気持ちに変換することを提案して、それによる学校の変化を感じてもらうという流れで風を作るのです。

<指導スキルと指導制度>
畑先生の理論で、生徒の自主性を軸に部活動がなされ、教員による指導の時間も短縮されることになれば、素晴らしいと思います。

畑先生は話し合いのなかでは、批判、攻撃、文句はNGで、提案、アドバイスはOkというルール設定をされてました。これが実際に全ての学校で実行されれば、校内には本当に前向きな風が吹いて、気持ちよく仕事が出来るのだろうなあと思いました。

そこで、私から畑先生のボトムアップ理論に提案です。この考えのポイントは、やはり風を作ることだと思います。ですので、この理論に沿った指導スキルを広める制度、つまり、制度的な仕組みとの組み合わせで大きく広がる可能性はあるのではないでしょうか。今後のご活躍を期待します。

ボトムアップパーソンズ協会
https://bup-hiroshima.com/

【7】単純にブラック部活が悪、ホワイト部活が善という切り分けでいいのか

ブラック部活が悪、ホワイト部活が善という単純な切り分けでいいのかということを思っています。

ブラック部活を長時間の活動を強いる活動、ホワイト部活を自主性を重視した短時間の活動として考えた時、単純にブラック部活が悪で、ホワイト部活が善という切り分けで良いのだろうか。

学校内で働く教員の立場から考えて、一番迷惑な教員は、実は、指導放棄、管理放棄だったりします。生徒の主体性を重んじて見守っていると言いながら、何もしないでお茶しているような教員はどこにでもいるものです。

そのしわ寄せや尻拭いの負担を他の教員にさせておいて、決して積極的に生徒と関わろうとしないという問題のある教員の存在は、どの学校でも悩みのタネでしょう。

この場合、ブラック側ではなく、どちらかと言えばホワイト側なのですが、問題は大きいです。

逆に熱心さの余り行きすぎた指導をしてしまうことは、当然許されることではありませんが、長時間の練習を関係者の合意のもと行われている活動についても、ブラックだということで、全て否定して良いものか、ここも議論の余地があるところではないかと思います。

長時間やればいいというものではないという発想は必要だと思います。しかし、世の中の根を詰めて長時間打ち込む姿勢を全て否定するとなると、やはり違和感を感じます。

大事なことは、強制されてないということと、生産性のバランスの問題ではないでしょうか。つまり、ブラックでも自由意思に基づいたものは可で、ホワイトでも生産性が伴っていなければ不可なのではないか。

詰まるところ、教師としてのあり方とは何か、使命感とは何かということになるかも知れないですね。


 今回もご高覧ありがとうございました。
 部活研はこれからも具体的に行動します。
*********************************************************************
◎部活研通信、新規会員のご紹介のお願い
info@bukatsu-japan.com まで、
お名前とメールアドレスを明記のうえご連絡願いします。
件名に「入会希望」とご記入下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□配信先の変更、購読停止について。
----------------------------------------------------------------------
発行システム:『まぐまぐ!』からご登録された方で配信中止を希望される方はこちら
http://www.mag2.com/m/0001670259.html
又はお手数ですが『配信不要』と記載してご返送下さい。
----------------------------------------------------------------
□ご意見・ご感想は まで info@bukatsu-japan.com
□発行 一般社団法人 日本部活指導研究協会
http://bukatsujapan.jimdo.com/





メール一覧に戻る