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配信日:2019/10/11
10月開催 部活研主催の研修会のお知らせ他
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一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称・部活研)
「部活研通信」
”部活顧問のための部員の心を変えるとっておきの話" < 1. 10. 10 配信 Vol.47>
info@bukatau-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
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少し肌寒くなってきましたね。
秋は学校行事が多い季節です。風邪などひかないように気をつけましょう。
10月22日の研修会の参加者募集中です。

さあ、今回も部活指導関連の情報をお届けします。
生徒をその気にさせ、背中を押すとっておきの話しもあります。

☆::::::::::::☆ お知らせ ☆::::::::::::☆
◎部活研通信、新規会員のご紹介のお願い
info@bukatsu-japan.com まで、
お名前とメールアドレスを明記のうえご連絡願いします。
件名に「入会希望」とご記入下さい。

それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心を変えるとっておきの話
【2】部活News
【3】当協会主催研修が公認スポーツ指導者資格の更新研修に認可
【4】「日本中学校体育連盟と全国中学校体育大会の歴史的展開」中澤氏のシンポジウムより
【5】12月8日日本部活動学会主催の研究集会を後援します
文責 中屋晋
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以上をお送りします。

【1】部員の心を変えるとっておきの話
〜幸福は質的なもの、成功は量的なもの〜
今回は、日本を代表する哲学者、三木清氏の著書「人生論ノート」で述べられている幸福について触れてみたいと思います。

三木氏は戦前の哲学者なのですが、当時の政府の検閲を警戒して、この「人生論ノート」の記述は、意識的にかなり難解な表現を取ったそうです。

そのため読み進めるには、相当の根気と想像力を要する内容になっています。

しかし、その発想力、論理性は何百年経っても色あせない普遍性を感じさせてくれます。個人的にかなり共感する部分の多い本でした。

さて、この本を本格的に解説すると数百ページを要してしまうので、ここでは幸福についての整理をぎゅっとコンパクトにまとめて紹介します。

幸福とは何かと聞かれたとき、普通、私たちが思い浮かべるのは、満足できる貯金、結婚、子供、マイホーム、そして、できることなら、尊敬される地位、歴史に残る名誉・・・大体こんな感じではないでしょうか。

つまり、「成功=幸福」であり、手に入れた成功の数が多いほど幸せだと思っているのでは。三木氏は大前提として「成功=幸福」とは限らないことを指摘しています。

もし成功が幸せならば、成功を手に入れるまでは幸せにはなれない、ということになってしまいます。成功は数えられる(量的な)ものですが、幸福は数で語れない(質的な)ものと述べてます。まあ、幸福は成功の数ではないということです。

幸福は質的なもの、成功は量的なものという整理です。

成功に向けて努力している過程が幸せなのであって、成功の数が増えたことが幸福というわけではない、つまり、結果は成功でも失敗でも、幸福の状態でいられるということです。

もう1つの整理は、他人のために動く前に、自分自身が、まず幸福でなければならないという姿勢についてです。つまり、全体のために自分を殺すことは、幸福を否定することになると述べています。

例えば、自分が所属する部活動のために自分を犠牲にする前に、まず自分が幸福でなければならないということです。

三木氏の言葉です。
「幸福の要求が全ての行為の動機であるということが、個々の考えの出発点にならなければならない。」
「愛するもののために死んだ故に彼等は幸福であったのではなく、反対に、彼等は幸福であつた故に愛するもののために死ぬる力を有したのである。」

他人の幸福に寄与するためには、まず自分が幸福でなければならないのです。自分が幸福であることは”利己主義”ではありません。なぜなら、自分が幸せでなければ人に優しくする事すらできないからです。

部活動の人間関係で悩んでいる生徒も多いと思いますが、まず自分を幸福な状態に置くことを考えましょう。誰かの犠牲のうえに幸福は成り立ちません。それでは誰も幸せになれないのです。

「成功=幸福」ではないということ、他人の幸福に寄与するためには、まず自分が幸福でなければならないということ。
三木清氏の人生論ノートより


【2】部活News
○41自治体が教員採用試験で部活動を記載 中教審答申後も
https://www.kyobun.co.jp/news/20191007_02/
(読売新聞)

○世界一の教育の国!フィンランドの教育
https://youtu.be/8cOsqYItCoI
(YouTube)

○41自治体が教員採用試験で部活動を記載 中教審答申後も
https://www.kyobun.co.jp/news/20191007_02/
(教育新聞)
○ブラック校則の現状「男性教師が女子生徒の下着の色をチェック」「全校生徒の同意を得ても変えられない」
https://wezz-y.com/archives/69396
(ウェイズ)


【3】公認スポーツ指導者資格の更新研修として承認されました
★日本スポーツ協会から公認スポーツ指導者資格の更新研修として承認されました
<10月部活指導員研修、参加者募集中>
7月1日より募集を開始しており、すでに申し込み頂いておりますが、
恒例の部活研主催の研修会を以下の要領で開催します。

今回の第1部の講師の谷野氏は、実はジュニアユース時代にベンチを温めていたそうですが、何とその横には本田圭佑選手がいたそうです。
そんな経験を踏まえスポーツメンタルについて深いお話しをして頂きます。
第3部は、当協会顧問の部活動学会会長の長沼豊教授(学習院大学)に部活動の抱える問題や背景についてお話し頂きます。
いつもの様に中身の濃い研修会になると思います。
奮ってお申し込み下さい。

研修会の詳細は、↓↓↓↓
◆秋の部活指導員研修会について
10月部活指導員研修会「学校教育の一環の部活動指導」
◎講習終了時には、当協会認定の「部活動指導員研修」受講証書が交付されます。
<詳細>
2019年10月22日(火)祝日
会場:東京都立三田高等学校
 参加費 学校教員2,000円  部活動指導員3,000円(当協会会員無料)
1部:13:00〜14:00 スポーツメンタルトレーニング講習 
講師:ココロツクル株式会社 代表 谷野 隆太   
〜自信が持てる力を最大限に発揮するためには 〜

2部:14:00〜15:00 部活動指導のガイドライン解説  
講師:日本部活指導研究協会 代表理事 中屋 晋
〜長年の部活顧問の経験をもとに部活動指導のガイドラインを具体的に解説〜

3部:15:10〜16:10 日本の部活動の現在・過去・未来 
講師:日本部活動学会 会長 学習院大学教授 長沼 豊 
〜部活動の歴史を振り返り、部活動の現状と未来を考える〜
質疑:16:10〜
懇親会 18:00〜

◎申し込み、詳細はこちら
https://kokucheese.com/event/index/570767/
※スポーツ協会公認公認指導者は登録番号をご用意下さい。


【4】「日本中学校体育連盟と全国中学校体育大会の歴史的展開」中澤氏のシンポジウムより
 9月に静岡大学で教育史学会が開催され、そのなかのシンポジウムで早稲田大学の中澤篤史先生の研究発表がありました。
 タイトルは「運動部活動はなぜ過熱化したか―日本中学校体育連盟と全国中学校体育大会の歴史的展開」でした。
◆全国大会を規制するために設立された中体連
 運動部活動と中体連(全国中学校体育連盟)の歴史との関わりを調査した興味深い発表でした。
 設立当初、中体連のある理事の雑誌記事への投稿では、次の様に述べています。
「「学徒の対外試合について」はブロック大会や全国大会が開催されては直接の被害者はわれわれ中学だから、ぜひそうした大会をやらせないように思想統一を計ろうではないか。」
 この記事のこの一節から中体連は、全国大会を規制するために設立されたということが読み取れます。
 全国大会については、運動部活動の過熱化を防ぐためには、全国大会と部活動を切り離すべきという指摘をする部活動研究者が複数おり、教育であるはずの部活動が競争の論理に傾き過ぎて生徒や教師への過剰負担に繋がっている現状が問題視されています。

◆全国大会を主催し大会を促進する団体になった発端は
 さて、1950年代においては、文部省でも全国規模での競技大会を認めておらず、中体連は、その全国大会の動きを規制するために設立されたわけですが、では、なぜ今では全国大会が盛んに行われ、中体連は主催する立場になっていったのか、そこが中澤先生の今回の発表のテーマでした。
 1960年代までは、まだ全国大会は、原則禁止の状態だったのだが、1970年代なって対外試合を学校教育活動内と学校教育活動外に分類したところから、全国大会を許容する空気が流れ始め、学校教育活動外に限って全国大会の開催が認められるようになったというのが事の発端のようです。

◆平等、公平の観点からの容認へ 
 一方、各都道府県レベルの競技大会は、教育委員会や競技団体からの補助金の増額と共に活発化していきました。
そんななか全国大会の運営について公平に偏りなく行うように中体連が関与していくことになり、結果的に部活動の活発化の流れととも全国大会を拡大に大きく関わるようなりました。
 技能の競い合いというよりも幅広いすそ野を持つ平等主義を目的として、中体連が全国大会を主催し、参加種目も増やしたのでした。
 そして、1979年の文部省の通達で、学校教育活動内での全国大会が認められ、大きな転換期になりました。

◆全国大会を積極的に主催する現在
 中体連にとっては、全国大会を主催する大義名分は「規模を縮小」して、「過熱させない」のためでした。
 中体連は、競技団体に教育的配慮を欠いた全国大会を開催させないように、自ら全国大会を開催したわけですが、競技大会運営の盛り上がりに押されたかたちで積極的に開催することになり、今日に至っています。
 中学校運動部活動の過熱化の象徴であり、参加する中学生の憧れの舞台でもあるのが、競技大会システムの頂点にある今日の全国大会です。

◆中澤先生独自の調査
 この中澤先生の研究以前では、運動部活動の全国大会それ自体の変遷はほとんど分析されておらず、どれくらいの学校や生徒が参加して来たのかといった基本的なデータもほとんど把握されていなかったそうです。
 これは運動部活動が課外活動であるため、そのあり方は、国からの政策によって全て規定されているわけではないことから、これまで教職員組合による中体連の全国大会関連の調査が大きな影響を与えて来ました。
 今回の中澤先生が独自に日本中体連事務局所蔵の資料について蒐集し、分析した本発表は、非常に意味深い発表と感じました。

◆全国大会の功罪
 全国大会の何が問題なのか。全国大会を目標に部内が一眼となって協力し、日々の練習に励み、自分を高める大きなきっかけややる気を引き出してくれる等、教育効果は大きいと思います。
 しかし、全国大会で頂点を決めるためには、スケジュール的にトーナメント方式を取らざるを得ないところが大きな問題です。トーナメント方式の様なノックアウトシステムは、1度負ければ次の試合はなく、公式試合の成果がその瞬間に決定してしまうわけです。
 その結果、負けられないという意識の影響で指導者も生徒も勝利至上主義に陥りやすくなります。仮に全国大会がなければ、スケジュールも地域の自由になり、リーグ戦や地域独自の対抗戦なども行えます。そうなると、勝ったり負けたりを繰り返して、そのスポーツ自体の楽しみ方も変わってくるはずです。
 どうしても、日本一を決めたいのではあれば、リーグ戦の成績をもとにプレーオフを開催して決定するということも出来ます。いずれにしても、ノックアウトシステムでの大会システムは、教育現場には馴染まないのではないでしょうか。

今後の中澤先生の研究に注目したいと思います。
  
 

【5】12月8日日本部活動学会主催の研究集会を後援します
第2回部活動学会研究集会
「生徒の主体性を育む部活動とは」
12月8日(日)12:30〜16:30
会場:明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー11階 1103教室

主催:日本部活動学会
後援:一般社団法人日本部活指導研究協会
                   
第2回研究集会では,部活動が育む生徒の主体性に着目します。2019年に学会が行った調査や研究の発表,運動部,文化部それぞれの先進的な実践例の紹介,それらを踏まえた鼎談にワークショップと,盛りだくさんの内容になっています。部活動が生徒に与える影響について考察するとともに,これからどのような改革が必要か,理論と実践の両面から参加者の皆さんと共に議論できればと思います。

参加費:会員1,000円 非会員2,500円 学生非会員500円 学生会員無料 
※なお当日、部活動学会に入会し、年会費をお支払いいただくと、会員価格で参加できるとともに2020年の年会費が免除されます。

【プログラム】
12:00〜 受付開始
12:30?12:35 開会挨拶(林幸克・日本部活動学会第2回研究集会実行委員長)
12:35〜13:05 第1部学会からの発表
1)学会調査の結果公表(長沼豊・日本部活動学会会長)
2)学会共同研究の成果公表(神谷拓・日本部活動学会副会長)
13:05〜14:05 第2部ミニ講演
1)畑喜美夫(一般社団法人ボトムアップパーソンズ協会代表)元広島県立高校教諭
2)三谷佳之(NPO法人全国学校軽音楽部協会理事長)
[休憩10分]
14:15〜15:15 第3部鼎談(畑喜美夫さん・三谷佳之さん・長沼豊会長)
[休憩10分]
15:25〜16:25 第4部ワークショップ60分
16:25〜16:30 閉会挨拶(望月浩一郎・日本部活動学会副会長)

17:00?19:00 情報交換会 上海小龍包 石庫門 御茶ノ水ソラシティ店
※情報交換会:参加費4000円

◎お申し込みはこちら
https://kokucheese.com/s/event/index/580249/

 今回もご高覧ありがとうございました。
 部活研はこれからも具体的に行動します。
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□発行 一般社団法人 日本部活指導研究協会
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