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配信日:2019/06/21
学校教育の一環の部活指導の理解のためのに
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一般社団法人 日本部活指導研究協会(略称・部活研)
「部活研通信」
”部活顧問のための部員の心を変えるとっておきの話" < 31. 6. 10 配信 Vol.43>
info@bukatau-japan.com
http://bukatsujapan.jimdo.com/
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早くも真夏のような暑さが続いていますが、体調管理にはくれぐれも注意しましょう。
場合によっては思い切って予定を変更する判断も必要な時もあるかも知れません。

さあ、今回も部活指導関連の情報をお届けします。
生徒をその気にさせ、背中を押すとっておきの話しもあります。

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それでは、以下、今回の目次です。
☆::::::::::::☆ 目次 ☆::::::::::::☆
【1】部員の心を変えるとっておきの話
【2】部活News
【3】部活指導者への研修会を継続開催をして5年
【4】「子どもとスポーツのイイ関係」大月出版
文責 中屋晋
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以上をお送りします。

【1】部員の心を変えるとっておきの話
国連が「世界幸福度ランキング2019」を発表しました。

各国の各種データと意識調査をもとに「どれくらい幸せと感じているか」を調査、評価して国連が毎年発表しているランキングです。

世界の156カ国を対象に行われたこの調査、さて、今年は日本は何位だったでしょう。

結果は、2018年の54位から4つ順位を下げ58位でした。

人の幸福度を上げる要素としては、主に「お金」、「健康」、「若さ」の3つの要素があるそうです。

一方、幸福度を下げてしまう要素もあるそうです。どちらかと言うとこちらの方が長い目で見ると本質的には大事なポイントかもしれません。

幸福度を下げてしまう要素としてはいくつかありましたが、その1つに「競争心」というのがありました。「競争心」が旺盛な方が、成果や結果が出せて良さそうですが、なぜ「競争心」が幸福度を下げてしまうのでしょう。

それは競争心が強い人ほど他人との比較で自分の位置を考えてしまう傾向があるとのこと。その結果として本来感じて良いはずの幸せ度を落としてしまうらしいのです。

確かに「お金」、「健康」、「若さ」は、必要です。ですが、今の幸せ自体を他人との比較ではなく実感することも大切なわけです。

どんなにお金があっても、どんなに健康でも、どんなに若くても、比較によって価値を測れば、常に満たされない欲望を抱えてさまようことになるでしょう。

もし、比較をするのならば、他人とではなく過去の自分と比較してみると良いでしょう。

1年前、2年前の自分を思いだしてみて下さい。その時に出来なかったことが出来ているはずです。そして成長している自分がいることに気づくでしょう。

せっかく上げた幸福度下げないためのにどうすべきか。回りがどうなったかではなく、自分がどうなったかに目を向け、評価することだと思います。

せっかく上げた幸福度を下げるのはもったいないですね。


【2】部活News
○高校生は体ができているから? 部活の時短、中高で差
https://www.asahi.com/articles/ASM5H5484M5HUTQP01G.html
(朝日新聞)

○生徒の人間力引き出すスポーツ教育…日体大桜華
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/support/information/CO039032/20190513-OYT8T50042/
(読売新聞)

○「敗戦後、部員1人ずつビンタ」強豪校の古い文化まん延 市尼崎高バレー部
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201905/0012353200.shtml
(神戸新聞)

○バレー部体罰は常態化、コーチだけでなく監督も体罰 市尼崎高問題で市教委会見
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201905/0012351656.shtml
(神戸新聞)


【3】部活指導者への研修会を継続開催をして5年
◆部活動指導者の研修会を重ね5年
当協会主催の部活動指導員を対象にした研修会は、2014年3月の第1回研修会から年に2回〜3回の開催を重ね今年で5年が経ちます。
この5年間、たくさんの部活顧問の先生方、外部指導員の方、教育委員会の部活指導担当の方、さらにPTAの方、その他部活動関係者の方々にたくさんのご参加を頂きました。

◆指導者研修会の目的とスタンス
研修会の目的は、指導者スキルの向上と部活動に関わる問題への意識の喚起と警鐘でしたが、活動を通して部活動を取り巻く問題に正面から向き合うなか時間を追うごとに当初思っていた以上に問題の複雑さ、根の深さに気付きました。それととも活動の意義も同時に実感してきました。

巷には、部活動中の暴言、暴力、パワハラ、過重労働、過重負担が話題になっていますが、当協会の方針としては、これらの問題に対して、まず指導者の意識とスキルの改善に取り組むことを決め、活動を続けてきました。研修会の実施は部活顧問の負担をいたずらに増やすことになるというご批判もありました。

実際は、制度、システムを変えることが流れを大きく変えるためには必要なことなのでしょう。しかし、我々のスタンスは隗より始めよ、現場の指導者と接し、ナマの声を聞き、必要な情報を発信することに重点を置くスタンスでここまでやってきました。

◆制度の見直しとルール作りは確実に必要
部活動が、日本全国の教育現場で、これだけ大きな存在感を持ち、教育的効果が認識されていることは、厳然たる事実なのですが、部活動を支えている人と制度設計は、まだまだ宙ぶらりんで、関係者の我慢と善意のうえに成り立っているのが実情です。一部の人々の自己満足と実績作りに利用されているというネガティブな情報を残念なことに多く耳にします。

職務に忠実な教員や指導者に従順な生徒が苦しい思いをするような制度は、改善しなくてはなりません。特に教育現場には、正直者がバカを見るようなことはあってはならないと思っています。

部活動制度の現状は、まさに現在、良いも悪いも混在しいる状態なので、今後は良い部分は続け、悪い部分は排除していくルール作りと制度の見直しは確実に必要です。

◆曖昧な審査基準で学校現場にに配置される部活動指導員
まずは、2018年スポーツ庁が発表したガイドラインに沿って、教員の過重負担解消のために部活動員指導員の配置が各自治体主導で動きが始まっています。

しかし、現実の部活動指導員の採用形式は、人伝をベースにした曖昧な資格審査のもと任命されるかたちです。明確な審査基準がないまま非常勤職員として採用される部活動指導員の資質については、やはり、不安は拭い切れません。そして、これから大量に外部の人材が加速的に学校現場に配置されることで、学校内の秩序を保てるのか、生徒の安全を確保出来るのかについても憂慮されます。

◆学校教育の一環の部活指導の理解のためのに
部活動指導員の配置については、日本スポーツ協会が介在して学校と指導者をマッチングするシステムが周知されています。日本スポーツ協会に登録されている指導者は、スポーツ指導者のとしての専門性はある程度担保されているでしょう。

しかし、スポーツあるいは文化的な技能を指導するためのトレーニングと併せて必要なことは、学校教育を理解するためにベースとなる知識を得る機会を設定することではないかと感じています。

当協会の研修会を通して学校現場の教員の方々には、改めて部活動の抱える問題や背景を知って頂き、出来れば身近な外部指導員の方々に研修への参加のためのお声掛けをお願いしたいと思います。

◆秋の部活指導員研修会について
10月部活指導員研修会「学校教育の一環の部活動指導」
日程:2019年10月22日(祝日)
会場:都立三田高校
時間:13:00〜
内容:
第1部 部活専門科目:部活指導をするうえで必要な専門的な知識、技能 
講師:未定
(スポーツメンタル、スポーツコミュニケーション、最新テーピング理論、体幹トレーニングの基礎、アンガーマネージメント講座 等)

第2部 学校一般科目:学校教育の一環としての部活動について、文科省が平成25年5月に作成した「運動部活動での指導のガイドライン」もとに解説
講師:代表理事 中屋 晋         

第3部 部活教養科目:部活動研究の専門家による部活動の歴史、現状における問題点、今後の展望等を解説
講師:学習院大学 教授 長沼 豊

※7/1募集開始します。

【4】「子どもとスポーツのイイ関係」大月出版
大月出版から献本を頂き、山田ゆかり氏のご著書、「子どもとスポーツのイイ関係」を拝読させて頂きました。

山田ゆかり氏は、スポーツライターで活躍される一方で、(社)飛騨シューレの代表理事をされておられる方です。
(社)飛騨シューレとは、種目に捉われず各種スポーツの実践を通じて、子供たちの人生を豊かにし、日々それを実感出来ることを目途とした総合型地域スポーツクラブです。
そして、山田ゆかり氏はこの飛騨シューレの活動で得た情報を全国に広めるために尽力されてこられました。

このご著書「子どもとスポーツのイイ関係」は、その活動の一環になるのでしょう。
以下、所感です。

まず、第1章「子供とスポーツのおかしな関係」の内容について、心から共鳴させて頂くことばかりで気持ち良く読ませて頂きました。

私も日頃より長時間練習することが唯一の強くなる方法と思い込んでいる指導者が多いことに忸怩たる思いを抱いておりましたので、思わず記述箇所に線を引いてしまいました。

また、あるサッカーチームの指導で、いかに審判にわからないように反則するかを教えるコーチがいるというくだりについては、以前、テレビ解説者の「このタイミングでする反則じゃないですねえ。」という解説を聞いたことがあって、子供に教えることなのかと唖然としたことを思い出しました。

この本の中では、”多くの大人が躍起になって教えるのは、「勝つための技術だ」だ。”という表現で指摘をされていましたが、まさにスポーツを大人の自己満足や実績作りの道具にしてはならないと再認識致しました。

後半は「一流コーチたちの実践紹介」と題して、テニス、サッカー、野球、柔道などなどあらゆる種目について指導法の紹介がなされていました。

私の個人的見解ですが、以前からスポーツ界に1つの違和感を持っていて、それは、指導者が選手にコーチングする場所や機会は多い一方で、それに比べて指導者を育成する場所や機会が少ないのではないか、というものです。

つまり、日本のスポーツ界は、カリスマコーチと呼ばれるコーチが各々勝手に職人技で選手を育てているパターンが多いのですが、実は、そういった方々の成功例の羅列ではなく、科学的な検証も含め全国組織として指導法を取りまとめるシステムが必要なのではないか。そして、そこで確立された科学的な指導法を普及させるシステムが必要なのではないかという思いを持って来ました。

ですから、ジュニアの場合、競技大会を全国規模にするよりも指導者の連携を全国規模にすべきなのだと思っていたところです。

そんな感覚を持っていたので、この実戦報告を読む前は、「またカリスマコーチの自慢話的な内容なのか」と思ってしまいました。

読み進めていくうちに、飛騨シューレの活動が指導者のプラットホームの役割を果たしていることに気が付きました。この活動の延長線上に全国的な指導者レベルの底上げがあると感じました。

ここで一流のコーチたちの言葉、考え方で参考になりそうなフレーズを抜粋で紹介してみます。

・試合をすることは、技術を競い合うことではない。それぞれのチームが日頃やっていることを目一杯発揮できるかどうか。
宇津木妙子さん(ソフトボール)

・トップレベルの技術を持った選手でも、”教える”ことができなくては意味がない。それもトップの技術を教えることではなく、初心者に基本を教えられるかどうか。
・競技成績が良ければ人事評価点が上がり、優秀な指導者としての評価を得ることが出来る。だから、選手一人の育成よりも、チームの成績を優先してしまう傾向がある。「指導者の言うことを聞かない子」を排除してしまうこともある。
・練習内容についての指摘「ほぼ毎日練習をし、その内容も、同じ内容の反復や、失敗を許されない偏った練習になっているのではないか」
・世界ランキング1位だったオーストラリアでは、中学生は日本の12分の1しかホッケーの練習をしていない。根本的に何かが違っているとしか言いようがない。
永井東一さん(ホッケー)

・日頃きちんと練習して、試合その発表会。先生が舞台袖から指示出しますか?
・「考えさせる」。いつ考えさせるか。それは「できないとき」だ。できないことを、みんなの前で話させる。
安江満夫さん(バスケットボール)

・「野球の本質は、得点の取り合いです。失点しても、それを上回る得点が取れればいいのです。」
・自分の力で物体が遠くまで飛んでいく快感は、何物にも代えがたい。
・ゴロのメリット生かした打撃は「チームが勝つと楽しい」という、次の段階の楽しさ。「初めての野球の段階で求める楽しさではない。
・野球が発祥した頃、打者が打ちやすい球を投げることが投手に求められていたそうだ。それを打者が打たないと、審判から「ストライク!」→「打て!」と命令されるというわけだ。
青木秀憲さん(野球)

実戦報告に登場される指導者の方々の考え方、指導ノウハウが、出来るだけ多くの指導者に届くよう飛騨シューレの活動の輪が一層広がることを願っています。

◎興味ある方はこちら
子どもとスポーツのイイ関係:「苦手・嫌い」が「得意・好き」に変わるコーチングの極意
https://www.amazon.co.jp/dp/4272412531/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_v288CbGKDH5Q5




 今回もご高覧ありがとうございました。
 部活研はこれからも具体的に行動します。
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