ガソリン補助金「価格に全額反映されず」 財務省指摘
財務省は7日、予算執行調査の追加報告を公表した。ガソリン価格の抑制に向けて石油元売りに配る補助金事業で「販売価格に補助金の全額が反映されていない可能性がある」と指摘した。抑制に使われた金額は支給総額を110億円下回っていたと推計。事業者の利益に回ったとみられるケースもあった。
3月から7月に支給した補助金と販売価格の動向を分析した。同期間に累計で5577億円の補助金を支給している。関東財務局が管内の294事業者に、価格の決定方法など実態を調査。回答した155事業者のうち「補助金全額分が抑制されている」と回答したのは45.2%にすぎず、「全額は抑制されていない」「分からない」がそれぞれ23.2%、31.6%だった。
理由として「近隣店舗の市況を見て判断したため」が最も多く、「過去の価格変動による転嫁不足が生じていたため」「複数週に分けて卸売価格の変動を反映させたため」が続いた。「自社の利益(赤字補塡など)に充てたため」との回答もあった。
政府は2022年1月にガソリン補助金を導入。全国平均のガソリン価格が1リットルあたり168円程度になるよう35円を上限に支給し、35円を超える分は半額を上乗せしている。これまで3度延長しており、12月末分まで措置した予算額は累計で3兆円を超える規模となっている。
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