EU・ベトナムFTA、8月1日に発効

(EU、ベトナム)

欧州ロシアCIS課

2020年07月31日

EU・ベトナム自由貿易協定(FTA)が8月1日に発効する。2012年6月から2015年12月にかけて交渉が行われ、2019年6月30日に署名された。その後、欧州議会とベトナム国会での批准承認を2020年6月までに終えていた(2020年2月14日記事2020年6月9日記事参照)。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は7月29日、自身のツイッターで、同FTA発効を前にベトナムのグエン・スアン・フック首相と電話協議を行ったことを明らかにし、「新型コロナウイルス危機」からの復興が最優先課題となる昨今の状況を踏まえ、「あらゆる回復の機会を必要とするEU経済にとって素晴らしいニュース」とコメントした。

欧州委によると、EU原産品に対するベトナム側の関税は全品目の65%が発効と同時に撤廃、その他も最長10年の段階的な逓減期間を経て、最終的に約99%が撤廃される。EU側もベトナム原産品への関税について71%が即時撤廃、残りも最長7年の逓減期間を経て撤廃を目指すとしている。なお、ベトナムは現在、EUの一般特恵(GSP)対象国であり、欧州委によると、2018年実績では同国からEUへの輸入の63.7%にGSP税率が適用されているが、今回のFTA発効に伴い、EUの規則に基づきベトナムはFTA発効から2年後にGSPの対象適用から除外されることとなる。

FTAとともに2019年6月に署名された投資保護協定については、投資家対国家の紛争解決(ISDS)など、EUと加盟国が権限を共有する分野を含むことから、発効に当たってはEU各加盟国の国内手続きに基づく批准が必要となる(2017年5月17日記事参照)。

(根津奈緒美)

(EU、ベトナム)

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